最近は自由に本を読めるようになった。私の場合、仕事をしていた時は読書をする時間も気力もほとんど残っていなかった。読みたい本があっても、時間的・精神的余裕が自分には無かったのだ。まして「家でゆっくりと読みたい派」なので、いつでもどこでも本を読むという器用なこともあまり出来なかった。 考えてみると、学生時代は読書の楽しさがよく分かっていなかった。幼い頃に背伸びして読んだ本が、難しいだけで面白いと感じられなかった、という記憶も影響していたのかもしれない。娯楽ではなく「勉強」だと思ってしまった。ためになると考えて無理して読んでいたことさえあった。今思えば、これは大きな勘違いだったと思う。 学校では一時「読書の時間」が設けられ、毎日10分程度、本を読む時間があった。終わりに今日は何ページ進んだかを記録するのだ。だが、あの時間も私にとっては楽しいものではなく、どちらかと言えば苦痛だった。本の選び方に問