【法を生かす】スペシャリストの眼(2)〜マネジメントとコントロールは違う (峯本 展夫=プロジェクトプロ代表取締役) 前回の本欄で、財務情報の虚偽記載をなくすという財務報告内容にだけ注目し、内部統制(インターナル・コントロール)の導入に取り組むのは危険、と指摘した。内部統制とは、企業が自社の経営目的に影響を与えるリスクを認識、リスクに対処する取り組みを実施し、その諸活動をきちんとやれているかどうかをモニタリング、問題があれば改善する、一連の仕組みを整えることである。財務報告にとどまるものではなく、全社・全活動が対象となる。 今回は、企業全体のリスクマネジメントシステムとしてとらえる意義について考えてみたい。 企業が必ず取り組むべきは、社会に価値を提供するとともに、その企業を持続させることである。内部統制も、コンプライアンス(法令順守)としてだけでなく、企業の社会的な価値を向上させる