中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 話題の書籍、WIRED編集長クリス・アンダーソンが著した「FREE」を読んだ。クリス・アンダーソンは5年ほど前、「ロングテール」というコンセプトを世に送り出したジャーナリスト。今度は「フリー」あるいは「フリーミアム」というコンセプトをひっさげての凱旋である。 この本ではフリーの歴史から、最新のITビジネスモデルまで様々なことが述べられている。その主張は多岐にわたるが、枝葉を落とし、おおざっぱに、かつ大胆に、僕の言葉でまとめると下記のようになる。 --- 1.ITテクノロジー(サーバの能力、ストレージの容量など)の限界費用は、限りなくゼロに近づいている 2.1を背景にして、デジタルのものは、たとえばデジタルコンテンツ