題名:電気的パターンがカエルの胚の顔の特徴の発達に先行する 報告者:ムトウ 生体には多くの電気信号が流れている。例えば、体を動かす筋肉は、筋肉まで到達するニューロンの興奮によって発生した活動電位が、筋肉の終板(神経筋接合部)まで到達することによって収縮される1)。そのため、筋肉が動いている際は、随時、電気信号が動いている筋肉に向かって流れていることとなる。 ニューロンの興奮に伴う活動電位は、身体の内部から発生する。しかしながら、これとは逆に身体の外部から電気信号を与えることでも、筋肉を動かすことができる。外部から電気刺激を与え、それによって筋肉が動くことを発見したのは、イタリアのボローニャ出身の医師であり、物理学者であったルイージ・ガルヴァーニ博士であるが、カエルの足の中に電気が起こるのを見つけたその現象である「ガルヴァーニの発見」は電気生理学の歴史において最も有名な実験の一つであろう2)