「『インテリジェンスを持ったXMLドキュメント』という考え方の基にソフトウェアのインストールを不要にしよう」という考えで作り始めたのがUIEngineだが、実はこの発想でソフトウェアプラットフォームを作ろうという試みは、一度マイクロソフト内で試みて失敗している私である。90年代後半に、「Microsoft、インターネット時代の次世代オフィスアプリケーションの開発に着手」と大騒ぎをされながら、正式なアナウンスも無いまま消えてしまったNetdocsというプロジェクトである(参照)。 失敗の原因は色々とあるのだが、後になって反省してみた結果、Netdocsは大きく分けて二つの大きな間違いを犯した、と私は解釈している。 一つ目は、リッチクライアントの誘惑に負けてしまったことである。プロジェクト発足時は、「全てをXMLとDHML(今で言うAJAX)で開発し、Internet Explorerさえ走っ
Microsoft OfficeのファイルフォーマットをXMLにしようという話は、97〜98年ごろからあったのだが、一番の理由は「タイトル」、「作者」などのメタデータを標準的なXMLタグとして用意して、他のアプリケーションやサービスからのアクセスを可能にしたいというものであった。 そのころは、いまほど「オープンであること」が重視はされていなかったが、HTMLドキュメント内のTITLEタグで提供されるメタデータをサーチエンジンが利用し始めていることは既に知られており、それと比べるとバイナリーフォーマットである Office のファイルフォーマットは不利であるという認識は(少なくともMicrosoft内の一部の人たちは)持っていたのである。まだ Office のファイルフォーマットをウェブ上のドキュメントのデファクトスタンダードに出来るかもしれないという望みを持っていた時期のことである。 「イ
Netscapeのすごいところは、95年という早い時点でインターネットのポテンシャルに誰よりも早く気づいて、「これからはウェブ・アプリケーションの時代だ」というヴィジョンをはっきりと打ち出したこと。それもMicrosoftがWindows95を発売してやっと「GUIのイノベーションの収穫期」に入ったばかりの時にである。 Microsoft内の反応はさまざまであった。上場したばかりのNetscapeの株を買い求めるお調子ものから(この行為はすぐに禁止になった)、NetscapeがMicrosoftのビジネスにとって脅威だということにいつまでも気が付かない人までいた。ウェブアプリケーションに関しては、私のように「全てのアプリケーションがウェブアプリケーションになる時代が来るかも知れない」と騒ぎたてる急進派はごく少数で、大半は「Microsoft Officeに代表されるプロダクティビティ・アプ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く