小林まこと/長谷川伸『関の弥太ッぺ』(2009年講談社、933円+税、amazon)はむちゃおもしろかったと前エントリで書きました。 ところが長谷川伸の原作とマンガでは、細部がすごーく違っているのですね。つまり小林まことがいろいろと脚色しているわけですが、マンガという表現形式向けにこれがいかにみごとになされているか。ふたつを見比べてみましょう。 長谷川伸「関の弥太ッペ」は、戯曲として書かれています。 *****(以下最後までネタバレします)***** ●序幕第一場:桂川の河原 前夜ある宿で、堺の和吉が関の弥太郎の持つ五十両を盗みます。弥太郎は桂川の河原で和吉をつかまえ、斬り合いのすえ五十両を取り戻しますが、和吉はわが身を恥じて投身自殺してしまいます。 和吉は小さな娘、お小夜を連れていました。弥太郎は和吉の頼みを聞き、お小夜を吉野宿の旅籠、沢井屋まで連れて行くことになります。 ●序幕第二場: