中国がハイテクを駆使して人々を常時監視している…という話が最近良く話題にのぼる。街中に無数に設置された監視カメラ、生体認証技術、携帯電話の位置情報、ネット情報の監視など。 これらは大なり小なり、中国以外の国でも採用されている技術であったりするし、日本国内でも監視カメラを増やして安全を確保しよう…という動きはある。それに伴って、プライバシーの保護を優先すべきか、公共の安全を重視すべきか…みたいな議論がツイッターでも頻繁に繰り返されている。 しかし、中国社会における「監視」は最近始まったことではない。ハイテクが導入される以前から「監視」は存在した。 そこで今回は、私が中国留学していた頃に体験した話を紹介しておこうと思う。 【目次】 留学生宿舎の「スピーカー」 家の中で筆談 その後、日本にて 追記:無料公開されている『一九八四年』の邦訳 留学生宿舎の「スピーカー」 昔、北京の大学に留学していた頃