シーズン3位のDeNAが日本一へと上り詰めた下剋上。最後は圧勝でパ・リーグの王者・ソフトバンクをなぎ倒した。
シーズン3位のDeNAが日本一へと上り詰めた下剋上。最後は圧勝でパ・リーグの王者・ソフトバンクをなぎ倒した。
多くの人がもやもやした気持ちを抱えたまま、フィギュアスケート女子を観戦することになった。 ROC(ロシア五輪委員会)の北京五輪フィギュアスケート代表、カミラ・ワリエワの検体から禁止薬物が検出されたというニュースが発表されたことで、彼女の個人戦出場は一時不透明な状態になった。そして出場できるか否かはCAS(スポーツ仲裁裁判所)の手に委ねられた。 そして、2月14日午後。ワリエワに「出場許可」というニュースが届けられた。なお、3位以内に同選手が入賞した場合は、表彰式やメダル授与式を実施しないという。 今回の経過、裁定に関してはすでにニュース速報などでカバーされているはずなので、ここでは、今回の一連の騒動、そしてロシアの抱える問題に焦点を当てたい。 ワリエワ本人に“ドーピングの意思”はあったのか? 15歳が禁止薬物を自ら購入し、摂取したのか。 ドーピングのニュースが出た際、多くの人が違和感を感じ
オリンピックがはじまる少し前、開幕の是非を討論するテレビ番組を見た。そこで出演者の有森裕子さんが、「アスリートファーストではなく、社会ファーストで考えるべき」という主旨の発言をしていて、深く心に残った。 討論番組の放送時よりもさらに事態は悪化しているが、パラリンピックも開幕している。開幕直前、国際パラリンピック委員会の人が、「《パラリンピックの中》と《外の社会》はまったく関係がない」と言っていて、心底驚いた。 夏の甲子園も新型コロナウイルスの感染が相次ぎ、辞退する高校も出る中、大会は強行された。 「スポーツ」だけがパラレルワールドにある状態が続いているが、この感じは、どこか身に覚えがあった。「社会の中のスポーツ」は私の中でずっと、パラレルワールドだった。その世界は「スポクラ」という名前だった。 なにもかもが異色の「スポーツクラス」 私の通っていた高校は、全国屈指のスポーツ強豪校として知られ
「俺たちには信じられないぜ」「あれで何も問題起きないのかい?」 ロッテで投手を5年、中日で打撃投手を3年務めた小林亮寛(りょうかん)さんは、その後、海を渡って現役復帰したアメリカ独立リーグのカルガリー・ヴァイパーズ(カナダ)で、同僚たちから口々に疑問を投げかけられた。 現地のスポーツチャンネルで日本の高校野球や甲子園についての特集が以前放映され、北米では大きな違和感を持って受け止められていたのだ。彼らの中には「誰も訴えたりしないのか?」と言う者までいた。 「なんで訴えるんだ?」 日本の高校野球で育ってきた小林さんには理解ができなかった。すると、アメリカ人の彼は「だって1チームに120人もいるチームがあるんだろ?」と言った後、こう真理を突いた。 「だってみんなフィー(部費)を払うんだろう? フィーを払っているのにゲームができないなんておかしいじゃないか。野球をするため、ゲームをするために払っ
今年の日本シリーズ、福岡ソフトバンクホークスと横浜DeNAベイスターズの戦いが終わりました。実をいうと、私が球団社長を務めていたころは、それほど日本シリーズには魅力を感じていませんでした。基本はシーズンの144試合。1試合1試合を積み重ねた優勝こそ、ファンの方に喜んでいただけるものだと思っていたのです。 しかし、今回の日本シリーズでその考えを覆されました。 日本シリーズの戦いはファンに大きな喜びをもたらし、予想を上回る経済効果を生み出しました。そして、街に活力を生み出したのです。 スカウトの方から「横浜の街が大騒ぎです。良いチームになりましたね」というメッセージをいただきました。彼はホームゲームではなく、パブリックビューイングを行っている横浜スタジアムの側を通り、盛り上がりを実感したそうです。 スタジアム買収で一体経営が実現して本当に良かった。 このメッセージをもらったことで、横浜スタジア
9年ぶりのJ1復帰を目指すジェフユナイテッド千葉は、今季、いままでにない大改革を進めている。 エスナイデル新監督が率いるチームは、極端なまでのハイラインで守り、猛烈なハイプレスをかけ続ける。前にも後ろにも、とにかく走るのだ。夏場でも、その運動量が落ちることはない。なぜ、そこまで走れるのか――。 監督は「そこにミステリーはない」と言葉に力を込める。厳しいフィジカルトレーニングを課しているのは想像に難くないが、それだけではない。強度の高い練習をこなす体作りから見直し、徹底して食事改善に取り組んでいるのだ。 現役時代、イタリアのユベントス、スペインのレアル・マドリーなど、欧州の名門クラブでプレーしてきた元アルゼンチン代表にとっては、当たり前のことを当たり前にしているだけだという。 脂身、濃い味、白米が並ぶ食事に監督があ然。 きっかけは、シーズン開幕前の沖縄キャンプだった。 「なぜこんなに味付けが
最後の最後まで全力を出し切ったプレーだった梶谷。CS最後の試合でも、意地の2ランで広島を猛追している。 最初に、梶谷隆幸には謝らねばならない。 筆者はCSファイナルステージ第2戦までの結果を受けて執筆した前回のコラムで、「これ以上、梶谷の起用を続けるのは賢明でない」と書いた。ジャイアンツとのファーストステージ第3戦で死球を受け、左手の薬指を骨折していた梶谷は、ほぼ片手でのバットスイングを余儀なくされた。第2戦の第4打席では、振った勢いでバットを落としてしまう姿も見られた。 あと1つ負ければ終わりの短期決戦。いくら非凡なセンスをもった好打者でも、負傷者の強行出場はカープ投手陣を助けることにしかならない。そう思っていた。 だが結果からみれば、28歳の精神力、そして技術の高さを見誤っていた。 連敗して迎えた土壇場のファイナル第3戦を前に、梶谷はこう語った。 「練習は軽めにして、試合で力を出せるよ
昨年からDeNAで投手兼任コーチも務める三浦大輔。しかし、まだまだ現役投手として、エースとしての座を譲るつもりはない。 「緊張感がありました。いい緊張感がね」 今季初の一軍登板。そして歴代タイ記録、右腕では最長となる23年連続勝利を懸けたマウンドだけに、24年目を迎える大ベテラン、DeNA・三浦大輔の気持ちは昂ぶっていた。 さらに付け加えれば、登板する5月5日のヤクルト戦は今季最多となる2万8960人ものファンが横浜スタジアムに詰めかけ、首位の巨人が敗れれば単独首位となる大事な一戦でもあった。そのような特別な舞台で昂揚しないほうが、むしろおかしい。 「ブルペンとかまでは色々と考えることはありましたけど、マウンドに上がればバッターを抑えることしか考えないんで」 その言葉通り、マウンドに立った三浦はいつものように冷静な立ち振る舞いを見せた。 2回、荒木貴裕に真ん中に入った失投をレフトスタンドに
昨年オフには「課題は打力です」と明言していた高城。写真右は、“小さな大魔神”としてブレイク中で同い年の山崎康晃。 現在、首位を走るDeNAを支えているのは若い力だ。 本塁打と打点トップの筒香嘉智を筆頭に、8年目にして中継ぎの要となりつつある田中健二朗、2年目の関根大気の成長も著しい。そして何より、9試合連続セーブの新人記録を樹立した山崎康晃、ショートのレギュラー獲得に意欲を燃やす倉本寿彦らルーキーの奮闘もチームに活気をもたらしている。 そして彼もまた、「将来のDeNAを担う存在」として覚醒を望まれるひとりである。 高城俊人。 今季4年目の若手捕手は、今、壁を乗り越えつつある。 風向きを計算に入れて三浦大輔を好リード。 そのきっかけとなったのが、三浦大輔が23年連続勝利記録を達成した5月5日のヤクルト戦になるだろう。 守備では、横浜スタジアムの特性を生かしたリードで三浦をしっかりアシストした
2014年夏。東京・国分寺――。 再開発のための取り壊し工事で広大な空き地と化した北口の駅前周辺は、かつてのうら寂しい風俗街の裏路地に日の光を差し込ませ、どこにでもある健全な通りのように思える。 そして、あの暗黒の闇にどっぷりと浸かり一条の光すら見出せなかったベイスターズも、ここ最近の戦いを見ているとようやく何かが変わり始めた。そんな気配らしき何かがうっすらと漂っているような気がしなくもなくもない。そんな夏。 わたりさん! 横浜が! ベイスターズが3カ月連続で勝ち越しを決めました! あの山口が先発に転向して月間MVPを取りました! 井納が10勝一番乗りを果たし、筒香がやっと覚醒を果たしました。ベイスターズが強くなったような……いや、確実に強くなっていますよ! やっとそんなことを言える日が来た。上気しながら店へと続く階段を駆け上がり、ドアを開ける。そこには、元野球選手の店を彷彿とさせないシッ
1リーグ構想に端を発した合併騒動、新球団発足と揺れに揺れた04 年日本球界。その騒動の過程で「ファンあってのプロ野球」という意識が(今さらながらに)芽生え、声高に「ファンサービス」が叫ばれ続けた。サイン会、撮影会の実施、ファン参加イベント、野球教室の開催……。連日、繰り広げられる「ファンサービス」報道の数々。 さて「ファンサービス元年」の05年。去年までの反省を踏まえ「ファンあってのプロ野球」というものが、球団の中でどの程度意識されているのか? その指標として最もわかりやすいのが、各球団のファンクラブなのではないか? そこで私は、さっそく12球団すべてのファンクラブに入会した。もっとも、年齢制限があったため、ドラゴンズは高校生までの「ユース」コース、カープは65歳以上の「シニアカープ」に入会した。取材用ということでご勘弁願いたい。 おおむね、ファンクラブ会員オリジナルのキャップ(オリックス
9月。球団初の優勝を目前に控え、満員に膨らんだKスタ宮城のスタンドを眺めながら、岡野寛大は熱い感情が込み上げてくることを感じていた。 今から8年前。当時フルキャストスタジアム宮城と名乗っていた同じ場所で、大学生だった岡野は全国荒鷲連合会の副団長として楽天ファンの前に立っていた。 「1年目のスタンドを思うと今の応援風景は信じられないですね。僕らはまったくの応援素人の集まりで、いろんな人に助けられながらここまでやってこれたんですよ」 大阪・藤井寺で生まれ、近鉄ファンとして育った岡野だったが、2004年夏に端を発した球界再編で、近鉄がオリックスと合併することで消滅。仙台に新球団・東北楽天ゴールデンイーグルスが誕生した。岡野は近鉄の消滅をどうしても受け入れることができず、合併球団ではなく東北の新球団を応援することを決意する。 「気持ちが整理できないまま近鉄が消滅してしまって、すんなりと合併球団も応
ブルワーズで青木宣親にポジションを奪われ、昨年オフにFAで移籍したナイジャー・モーガン。青木は「トラブルメーカーのイメージがあると思うんですけど、そんなこと全然なくて、とてもあったかい人間で、すごく好きなタイプの選手」と雑誌に答えている。 今日も猛暑が続く日本列島。 炎天下の町をTシャツを汗だくにしてさまよえば、海開きしたビーチでTバック水着のお姉さんが闊歩する姿を妄想する今日この頃。涼を求めて冷房の効いたコンビニに逃げ込めば「Tポイントカードはお持ちですか?」と毎度毎度問い詰められる「T」にまみれた熱い夏。 そんな中、今最も「T」が熱いのが、横浜である。 横浜DeNAベイスターズ、ナイジャー・モーガン。またの名をTony Plush。頭文字「T」。 MLB時代から「プロ野球はエンターテイメントだ」とし、お客さんを楽しませることを是としてプロ野球選手としての別人格「トニー・プラッシュ」を名
シーズン最終戦。9回裏に代打でバッターボックスに立った長野が逆転サヨナラ満塁ホームランを放った……茫然とする横浜ベンチ 長野の描いた大きな放物線が、ライトスタンドのオレンジの中へと吸い込まれた瞬間、「横浜ベイスターズ」の今シーズンの戦いは何の余韻も残さずに幕を閉じた。 最終成績47勝86敗11分。ただの最下位じゃない、またしてもどん底の最下位に終わった。巨人を相手にして、今シーズンの締め括りとしてこれ以上ない代打逆転サヨナラ満塁ホームランでの終劇に、それまで声を張り上げ最後の応援をしていたレフトビジターの小さな一角は、悲嘆の声すらも失いただ静まり返るだけだった。 10月22日の最終戦、最終回までは終盤戦に顕著に見られた新戦力の活躍による未来に希望が持てる戦いをしていたのだ。先発した育成上がりの国吉佑樹は7回途中まで無失点に抑え、後を受けた大原慎司は新人最多記録となる71試合登板。筒香、荒波
2009年の夏に完成したHARD OFF ECOスタジアム新潟。最新の人工芝を採用し、観客収容人員は3万人。内野席にある3層の客席が特徴的です 最近の成功例のひとつ、楽天イーグルスがフランチャイズを置く宮城県仙台市の人口は約103万人。ちなみに、宮城県は約234万人だ。 それに対し新潟市は約81万人。県全体にスケールを広げると238万人となる。仙台市、宮城県と比較しても、ほぼ遜色はないといえるのではないだろうか。 さらに、新潟県を含む北陸地方は、楽天創設以前の東北地方と同じく「プロ野球団空白地帯」である。 根強い高校野球人気がプロ野球進出のベンチマークに。 好条件は、まだある。新潟県は、高校野球が非常に盛んな地域だ。 全国高校野球選手権、つまり夏の甲子園への参加校数も宮城県の78校をはるかに上回る96校。これは全49地域の中でも15番目に多い。また、ベースボール・マガジン社の創業者が新潟出
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