「これは、マズイな……」 PCの画面に目を向けている管理部長の顔から、どんどん血の気が引いていく。反対に、私のすぐ隣にいる社長は、頬から耳にまで血がのぼり、赤らめている。管理部の部屋に怒号が響き渡るかと思った。しかし社長は両手で頬をぴしゃりぴしゃりとたたきながら出ていった。気持ちを落ち着けるためだろう。 【画像で見る】謎の「自己研鑽」 私と管理部長は、長い溜息をついた。「やっぱり、過少申告していましたね」と私が言うと、管理部長も無言でうなずいた。私は、こうした残業時間の過少申告を「粉飾残業」と呼んでいる。 2019年4月から働き方改革関連法が施行され、最大の目玉ともいえる「残業上限規制」の新ルール適用がスタートした(大企業のみ対象。中小企業は20年4月から)。最大の特徴は、違反すれば罰則(事業主に30万円以下の罰金または6カ月以下の懲役が科せられる可能性)が付いてくることだ。これまでは、違
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く