マスコミではオリンピックの話題が目立つ。冬季五輪なのに、今回は「冬季扱い」ではない。6年後の東京オリンピックを見すえて、冬季でも盛り上げようという空気があるのだろう。原発の話題はいけないが、オリンピックはどんどん行けというわけだ。 そのオリンピックがいま大詰めを迎えているソチは、グルジア西端の係争地でもあるアブハジアに隣接し、チェチェン紛争に始まったイスラーム・テロのメッカにも近い。そのため、テレビが伝える競技会場の外では、プーチン体制の威信をかけた厳戒態勢が敷かれている。 これは今に始まったことではない。1972年のミュンヘン五輪でイスラエル選手団がパレスチナ・ゲリラに襲撃されたことはもうほとんど忘れられているが、とりわけ「テロとの戦争」下での2004年のアテネ五輪以来、オリンピック会場はテロに備えてミサイルまで配備することになっている。そこまで「武装」しないと「平和の祭典」はできなくな