一般のSNS利用者が、報道機関でない者が犯罪報道を見て、報道内容を前提とする事実摘示又は意見表明をSNS上で行ったところ、当該報道内容が真実でないことが後に判った場合、相当性の抗弁が成立する可能性があるのかについて意見を求められましたので、以下のように回答しました。 一 表現行為により第三者の名誉が毀損された場合に関する判例 表現行為により第三者の名誉が毀損される場合の、表現の自由と名誉権(人格権)との調整について、最判昭和41年6月23日民集20巻5号118頁は、「民事上の不法行為たる名誉棄損については、その行為が公共の利害に関する事実に係りもつぱら公益を図る目的に出た場合には、摘示された事実が真実であることが証明されたときは、右行為には違法性がなく、不法行為は成立しないものと解するのが相当であり、もし、右事実が真実であることが証明されなくても、その行為者においてその事実を真実と信ずるに