「隙を見せた方にも問題がある」「気のあるそぶりをしたんだろう」。海上自衛隊呉地方隊で勤務した経験のある女性は、上官たちのそんな言葉を何度も聞いた。 【写真】海自でセクハラ被害を受けた女性が自宅に保管していた当時の制服 胸を触られる、ホテルに誘われる、飲み会でキスされる…。職場の内外でセクハラ行為は「日常茶飯事だった」という。男女2人だけで夜勤や密室での作業を担当することもあった。「他人の目がなくセクハラの温床になりやすいのは明らか」なのに配慮はなかった。 災害現場で活躍する隊員に憧れ、社会の役に立ちたいと入隊した女性。だが、セクハラ行為はなくならず、加害者を軽く注意するだけで済ませてしまう環境に、希望は失望、絶望へと変わった。 心療内科にも通ったが、自衛隊内のハラスメント相談室の利用は考えなかった。「組織ぐるみで隠蔽(いんぺい)されそう」という不信が強かった。「訴えた方が損をする。海自の中
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