小島寛之さんの『容疑者ケインズ』に影響を与えているのが、宇沢弘文先生のケインズ解釈でした。その宇沢先生の『ケインズ『一般理論』を読む』が文庫になったようですね。文庫版の方は持ってませんが、たまたま部屋に著作集版があったのでそれをペラペラ見てましたらちょっと驚きました。 以下は、宇沢先生の本からの引用。 「貨幣に対する需要は、流動性選好をみたすという動機にもとづくが、貨幣利子率は、貨幣と他の金融資産の相対的関係が変わってもあまり変化しないという特徴をもつ。と同時に、貨幣の供給は、生産に関する弾力性がゼロ(あるいはゼロに近い)であり、代替の弾力性もまたゼロ(あるいはゼロに近い)となる。すなわち、資産保有は主として貨幣の形で行われ、貨幣の相対的価値が上っても労働の雇用を貨幣供給の増加に向けることはできず、貨幣の代りに、貨幣の役割を果たす資産への代替の可能性も存在しないことを意味する。このように「
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