日本の賃金低迷が深刻な状況となっている。岸田政権はあの手この手で賃金アップを試みているが、目立った成果は上げられないだろう。賃金というのは政策ではなく企業の業績で決まるものであり、業績拡大を実現できるのは経営者だけである。ところが、日本の上場企業経営者が置かれている環境は甘く、現状のままでは賃金は上がりようがない。 賃金が安いのは経営戦略に原因がある 日本の実質賃金は過去20年にわたってほとんど横ばいの状態が続いている。同じ期間で諸外国の賃金は1.5倍以上に上昇したので、日本と諸外国の差は広がるばかりだ。私たちが普段、消費する製品の多くは輸入で成り立っており、日本だけ賃金が上がらないと、国民生活は窮乏する。 日本の賃金が抜き差しならない状況になっていることから、岸田政権は賃金上昇を政策の主眼に据え、賃上げ税制の実施などを検討している。岸田政権が賃金に着目したこと自体は評価できるが、経済界に