「両社の歴史や企業文化を継承するため、略称として親しまれている『新日鉄』と『住金』を使うことにした」。新日鉄の宗岡社長は22日の会見で、合併後の新会社名決定の理由をこう説明した。 新会社名をめぐっては、業界関係者の間で「日本製鉄」「さくら製鉄」など、「世界戦略推進に向けて日本を代表する製鉄会社をイメージする名前になるのでは」(関係者)との観測もあった。 とりわけ「日本製鉄」は官営八幡製鉄所が中心となって1934年に官民合同で設立され、戦後の財閥解体で解体された企業。「鉄は国家なり」の伝統を引き継ぐ新日鉄のルーツでもあり、同社内には合併を機に「日本製鉄」を復活させることへの待望論もあった。 しかし、規模で差があるとはいえ、住金は住友グループの中核企業。合併後、自社の名が完全に消えることは受け入れ難い。日本語の新社名には「住友」は付かないが、英語名では「ニッポンスチール&スミトモメタル」と、あ