約40年にも及ぶコンピュータの仮想化の歴史。その過程は,1台のコンピュータを仮想化によって「分割」する技術の積み重ねだった。複数のコンピュータを「結合」して仮想的なコンピュータに仕立て上げる仮想化への取り組みは,ようやく実用化に向けて舵を切った段階だ。 1台のコンピュータを仮想化するうえで,オーバーヘッドをいかに減らすかが鍵になる。実マシンとそん色ない速度で動いてほしいところだが,仮想化の処理がはさまるので,どうしても性能が落ちてしまう。そこでこの仮想化を支援する機能を順次ハードウェアに組み込む研究開発に拍車がかかっている。 一方,複数のコンピュータを仮想化して結合する手法は,OS以上の階層で仮想化した「グリッド・コンピューティング」と,CPU以下の層で仮想化したコンピュータを結合する「仮想マルチプロセッサ」の大きく二つの形態で開発が進んでいる。 分割/オーバーヘッド解消に向け競う 仮想マ
![特集「仮想化の正体」(2)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bed39b5962a5d552c95b6d796db8f55e72d32943/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fimages%2Fn%2Fxtech%2F2020%2Fogp_nikkeixtech_hexagon.jpg%3F20220512)