ブックマーク / morningrain.hatenablog.com (3)

  • 玉手慎太郎『公衆衛生の倫理学』 - 西東京日記 IN はてな

    新型コロナウイルスの感染拡大の中で、まさに書のタイトルとなっている「公衆衛生の倫理学」が問われました。外出禁止やマスクの着用強制は正当化できるのか? 感染対策のためにどこまでプライバシーを把握・公開していいのか? など、さまざまな問題が浮上しました。 そういった意味で書はまさにホットなトピックを扱っているわけですが、書の特徴は、この問題に対して、思想系のだと必ずとり上げるであろうフーコーの「生権力」の概念を使わずに(最後に使わなかった理由も書いてある)、経済学政治哲学よりの立場からアプローチしている点です。 そのため、何か大きなキーワードを持ち出すのではなく、個別の問題について具体的に検討しながらそこに潜む倫理的な問題を取り出すという形で議論が展開しています。 そして、その議論の過程が明解でわかりやすいのが書の良い点になります。 「これが答えだ!」的な話はありませんが、問題点が

    玉手慎太郎『公衆衛生の倫理学』 - 西東京日記 IN はてな
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    zeeko3 2023/03/07
  • 善教将大『維新支持の分析』 - 西東京日記 IN はてな

    ここ最近、「ポピュリズム」という言葉が、政治を語る上で頻出するキーワードとなっています。アメリカトランプ大統領に、イギリスのBrexit、イタリアの五つ星運動にドイツのAfDと、「ポピュリズム」というキーワードで語られる政治勢力は数多くいるわけですが、では、日における「ポピュリズム」といえば、どんな勢力がそれに当てはまるでしょうか? そこで、小泉純一郎や都民ファーストの会と並んで、多くの人の頭に浮かぶのが、おおさか維新の会でしょう。特に代表を務めていた橋下徹は多くの論者によって代表的な「ポピュリスト」と考えられていました。 「橋下徹という稀代のポピュリストによって率いられ、主に政治的な知識が乏しい層から支持を調達したのが維新である」というイメージは幅広く流通していたと思います。 しかし、このはそうしたイメージに対し、実証的な分析を通じて正面から異を唱えるものとなっています。 目次は以

    善教将大『維新支持の分析』 - 西東京日記 IN はてな
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    zeeko3 2019/04/08
    日本の地方選挙はもともと政党の存在感が薄く無所属議員が多いという構造があったが、維新は政党色を前面に押し出してかつそれがいわゆる「大衆」から支持されている。ここを見落とすと分析も何もないですわな。
  •  神林龍『正規の世界・非正規の世界』 - 西東京日記 IN はてな

    近年、論文が業績の中心となり、テクニカルな内容も増えている経済学の中で、「○○の世界」というタイトルのはあまり見ないような気がします(社会学だとありそうですが)。 しかも、1972年生まれの著者にとってこれが初の単著。ずいぶん思い切ったタイトルだなと感じたのですが、そのタイトルにふさわしい内容とボリュームです。『あゝ野麦峠』の話から戦前の日の職業紹介の制度を分析するという、「これが経済学なのか?」というテーマから始まり、「正規から非正規へと言われるが、実は正規雇用は大して減っておらず、自営が減って非正規が増えているのだ」という分析を中心として、日の雇用を巡る問題を幅広く論じています。 第58回(2017年度)エコノミスト賞を受賞しているようにすでに評価の高いですが、評判通りの面白さだと思います。 目次は以下の通り。 序 章:書の目的と構成 第Ⅰ部:制度の慣性 第1章:戦前日

     神林龍『正規の世界・非正規の世界』 - 西東京日記 IN はてな
    zeeko3
    zeeko3 2018/04/13
    非正規雇用が増えたぶん減っているのは、正規雇用ではなく自営業者らしい
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