沖縄県の観光客はこの数年急増し、観光収入も増えている。だが、県内の宿泊・飲食業や卸売・小売業の収入は増えていない。なぜ観光客の増加は沖縄経済に還元されないのか。沖縄在住の経営コンサルタント・築山大氏は「その理由は沖縄の『ザル経済』という構造にある」と指摘する――。 観光収入が地域を循環しないザル経済 観光客数はハワイを超え、観光収入も毎年最高値を更新している沖縄県の観光業は、県のリーディング産業に位置付けられていますが、本当の意味で地域振興に繋つながっているとは言い難い状況が続いています。 現在、私は、沖縄在住の経営コンサルタントとして、さまざまな沖縄企業のお手伝いをしています。仕事で沖縄の経済や企業を分析していく中で見えた現状を、私はブログで発信してきました。今回、プレジデントオンライン編集部の求めに応じて、その内容に大幅に加筆してお届けします。 図表1は、沖縄県の観光収入と県民経済計算
評論家 中野剛志:悲劇は繰り返す!忍び寄る「令和恐慌」 景気後退にもかかわらず、消費増税を断行。自分で自分の首をしめるがごとく、ことさらに不景気を造っている。 2020年2月号 BUSINESS by 中野剛志(評論家) 昨年10月の消費増税は、国内外ともに景気後退に入っているにもかかわらず、予定通り行われた。その悪影響は数字で出ている。例えば、昨年11月の実質賃金は前年同月比▲0.4%、名目賃金も▲0.2%。サービス産業の月間売上高も前年同月比▲2.5%。また、昨年11月の工作機械受注額は、前年同月比▲37.9%と14カ月連続のマイナス。同11月の鉱工業生産指数は2013年4月の水準に落ち込んだ。同じく11月の倒産件数は3カ月連続の増加、特に飲食店の倒産は年間最多ペースだという。 20年度当初予算案は、歳出規模が102.6兆円である。マスコミ各社は、これを放漫財政などと批判するが、間違っ
日本のエネルギー政策はなにを核にするべきなのか。太陽光などの再生可能エネルギーか、それとも原子力発電か。慶應義塾大学大学院経営管理研究科の太田康広教授は「日本が進めるべきなのは石炭火力発電だ。以前に比べて高効率でクリーンになっており、発生する二酸化炭素を地中に埋める技術もほぼ確立している。日本政府はこの事実を世界に発信するべきだ」という――。 世界的な「脱石炭」の潮流 COP25(第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議)で、国連のグテーレス事務総長が「脱石炭」の流れを作り、石炭火力発電の多いアメリカ、日本、オーストラリアが「化石賞」というジョークで非難された。金融の分野でも環境・社会・ガバナンスに配慮したESG投資の動きが拡がり、CO2排出量の多いプロジェクトは融資を受けにくくなってきている。 こうした脱石炭の流れは、地球温暖化を心配する純粋な人だけでなく、自分の利益を増やそうとする人に
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