週刊朝日と同じ年生まれの作家・瀬戸内寂聴さんに、95年の人生を振り返って語っていただきました。お相手は同じ作家の林真理子さんです。 * * * 林:先生の人生って、恋と書くことと……。 瀬戸内:だって、生きるってことは、それだけじゃない。 林:まあ、ステキ! 瀬戸内:あなただってそうでしょ? 林:先生は得度なさるまでいろいろあったでしょうけど、私なんて……。 瀬戸内:隠してるだけじゃないの? エッセーに書いてるみたいに、ご主人は本当にあんなにうるさいの? 林:ホントにうるさいんです。 瀬戸内:そんなら別れなさいよ。なんでヘイコラしてるのさ。 林:このあいだ占いの人に見てもらったら、向こうの先祖が私を手離さないと言われましたよ。こんなにいいお嫁さんはいないから。 瀬戸内:アハハハ。だってあなたは養ってもらってるわけじゃないのに、朝早く起きてお弁当作ったりしてるんでし