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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (16)

  • なぜ糞システムができあがるか

    納期が、予算が、バグフィックスが、性能、デザイン、インタフェース、使い勝手、保守が、可用性が、移行にマイグレーション、稼働率が、糞だ。そもそも要求を満たしとらんまともに動かない糞システムが、なぜ莫大な銭金かけてできあがってしまうのは、なぜか? アナリスト、コンサルPM、SE、プログラマ、テスタ、ヘルプデスク、メンテ、ユーザー、そして経営者と、それぞれの立場から言いたいことは山ほどある。それぞれの立場から「これぞ真の原因!」と叫びたいのも分かる。経営者を除き、全てのキャリアをやってきたから。だから、自信をもって断言する。糞システムができあがる、最も根っこの原因はこれだ。 一つ前の仕事をしている それぞれの立場で「やるべきこと」は分かっている。だからこそ、そのインプットが体を成していないことが明白なのだ。仕方がないので、自分で「インプット」相当を作るハメになる。 例えばプログラマ、プログラミ

    なぜ糞システムができあがるか
  • 恋愛小説の完成形「肉体の悪魔」

    天才が書いた小説、としかいいようのない。 文章は極限まで洗練され、エピソードは恐ろしいほどたくみに構成されている。自意識の動きを冷徹に微分し、あらわにする。情愛を知り尽くした箴言を吐くいっぽうで、自らの運命をさりげなく練りこむ。 うまい、としかいいようがない。 これを18で書いたのだから、天才というほかない。同じく超早熟のサガン「悲しみよこんにちは」にも驚いたが、フランス文学って、すごいもんだ。幅をひろげるつもりで手を出した新訳に、足をとられてしまっている。 百の誉め言葉よりも一の引用。めろめろになったのが次の文。狂おしいほど血が騒ぐ。 彼女の両手が僕の首に絡みついていた。遭難者の手だってこれほど激しく絡みつくことはないだろう。彼女は僕に救助してもらいたいのか、それとも一緒に溺れてほしいのか、僕には分からなかった 第一次大戦下のフランス、15歳の「僕」と、19歳の人。夫が戦地にいるあいだ

    恋愛小説の完成形「肉体の悪魔」
    zephyros
    zephyros 2008/12/15
  • 疲れやすい人は「耳」を疑え

    「さいきん、疲れがたまって」はオッサンの常套句かもしれないが、そうとは限らないぞ。ちょっと革新的なことを起こしたので報告する。 わたしの読書タイムは電車内。痛くて臭くて苦しいけれど、外部からの情報をシャットアウトして、に集中する。むしろ、に「逃げこんでいる」のが正解か。スゴに三昧してる間は、親爺の暴力的なワキガも女子高生の暖かい大臀筋も、微風ほども感じない。 ただ、車内放送だけはいただけない。 頭上からガナりたて、混んでいて申し訳ないとか、次の停車駅では1分ぐらい停まるとか、しようもないことをフルボリュームで強制的に聞かせる。しかも切れ目なく延々と。乗客を不愉快にさせることが目的なのであれば、かなり成功しているね。 どうしてもガマンできないので、イヤーマフを試してみる――Peltorという工事現場用のものなんだが、 これが大正解。隣とまともに会話できないレベルが、すべてくぐもって聞こ

    疲れやすい人は「耳」を疑え
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    zephyros 2008/11/28
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 見たあとに跳べ「Google Earthでみる地球の歴史」

    衛星軌道から地球史の旅を楽しめる、Google Earthのすばらしい成果。 わが子の教育目的でGoogle Earthを遊ばせている。国境線をとっぱらって上下逆転させた「地球」を、文字どおりオモチャがわりに弄っている。ただ漫然とまわっていると飽きるので、架空のツアーを組んだり紙の地図と組み合わせて遊んでいる。居ながらにして世界旅行を味わえるのは愉快だが、あくまで観光気分だけ。 それが、[たつを]さんとこでいいのを教えてもらった。それが書、「Google Earthでみる地球の歴史」。なにがいいかというと、「見たら必ず行きたくなる」ところ。宣伝惹句に偽りはなく、紹介されている「場所」へジャンプしたくなること請合う。 まず、「自然をみる」。 グランドキャニオン、モニュメントバレー、デビルズタワー、エアーズロックなどの最適ポイントを紹介し、侵にともなう地形が独特の景観をつくりだしている過程

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    zephyros 2008/11/18
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: いま読むべきスゴ本「ルーツ」

    読もう読もうそのうち読もうと思っていても、タイミングというものがある。 アレックス・ヘイリーの「ルーツ」は、まさに今だと感じた。強制的に連れてこられ、家畜のように働かされ、実質的に米国を支えてきたアフリカアメリカ人――その末裔が大統領になろうとしているのだから。 だから読んだ、30年の積読を経て。 合衆国の黒歴史ともいえる黒人奴隷の問題を真正面から描いた書は、1977年のピューリッツァー賞を受賞し、世界的ベストセラーとなり、TVドラマ化され、一大センセーションを巻き起こした。「クンタ・キンテ」といえば、ご存知の方もいらっしゃるかと。 書の体裁は「小説」なのだが、著者が12年かけて自分の祖先を調べあげた集大成でもあるため、ファクト(事実)とフィクションを掛け合わせた「ファクション」と呼ばれている。親子七代、200年に渡る壮大な物語をまとめると(まとめられるのか!?)、「あらゆるものを奪

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: いま読むべきスゴ本「ルーツ」
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    zephyros 2008/10/31
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 悪用厳禁!「プロパガンダ」

    「だまされた」と思わせずに大衆を騙すテクニックがわんさと紹介されている。 広告・政治宣伝のからくりを見抜くスゴ。コマーシャルで衝動買いしたり、連呼されるワンフレーズ・ポリティクスに洗脳されることはなくなるだろう。マスメディアの欺瞞を意識している方なら自明のことばかりかもしれないが、それでも、ここまで網羅され研究し尽くされているものはない。 もちろん、チャルディーニの「影響力の武器」と激しくカブってる。その研究成果が幾度も引用されており、暗黙のお返しを求める返報性の罠や、小さなものから大きなコミットメントを求める一貫性の自縄自縛のテクニックなんて、そのまんまだ。 しかし、破壊力が違う。「影響力の武器」を一言であらわすならば、「相手にYesといわせる」ことを目的としているが、書はそれに加えて「相手を説得し、積極的に賛同させる」ことがテーマなのだ。さらに、一人ふたりではなく、大衆レベルで実現

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    zephyros 2008/09/08
  • 「こどもをやる気にさせる101の言葉」と「こどもをダメにする130の言葉」

    高校受験をひかえた子どもに向けたメッセージ集。 ただし、それに限らないところがミソ。不安を抱いていたり、今のいま落ち込んでいる人も、書から元気をもらえるかもしれない。むしろ、親であるわたしが勇気をもらっている。 書が気に入ったのは、その質を冒頭にまとめてあるところ。つまり、こんな問いかけで始まっている。 こどものやる気を伸ばすためには、一体、どんな言葉で、どんなことを語りかければいいのでしょうか その答えは、とても簡単なものだという。否定語を少なくして、善いところを大げさなくらい誉めろというのだ。そして、欠点やダメだと思うところは目をつぶり、口やかましいと逆効果になることを心得よと。そうすることで、「自分は親に愛されており、周囲の人たちに大切な存在として必要とされている。生きていていいのだ」という自己肯定感をはぐくむことができる。これがない限り「やる気」は育たず、「やらされ感」のまま

    「こどもをやる気にさせる101の言葉」と「こどもをダメにする130の言葉」
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    zephyros 2008/08/25
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる - なぜ私だけが苦しむのか

    死にたくなったらオススメ。わたしは予習として読んだ。 心に痛みを抱きながら、日々なんとかしのいでいる人がいる。あるいは、「なぜ私がこんな酷い目に遭うのか?」と悲嘆に暮れている人がいる。突然、わが身に降りかかった災厄──病や事故、わが子や配偶者の死──から立ち直れない人がいる。 そんな人にとって、伝統的な宗教はあまり役に立っていない。 なぜなら、ほとんどの宗教が、神を正当化し弁護することにかまけていて、嘆き悲しんでいる人の痛みを和らげることを重視していないから。あまつさえ、「悲劇も当は良いことだ。なぜならこの経験はあなたを善き人に導くのだから」とか、「自分を可哀相がるのは止めなさい、起きたことにはちゃんと理由があるのだから」などと、傷ついた心に追い撃ちをかけてくる。 不幸に見舞われた人が望んでいるのは、ただ黙って聞いてもらい、「大変だね、辛いよね」と同情を寄せてもらうことなのに──著者クシ

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる - なぜ私だけが苦しむのか
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    zephyros 2008/07/30
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: ドラッカー「マネジメント」はスゴ本

    マネジメントの原則がわかる、いわば原液。 そこらで1,500円で売っている「ビジネス書」は、書の一部をうす~くのばして「再利用」していることに気づく。広い世の中、「ビジネス書を読むのがシュミ」なんて変わった御仁もいそうだが、100冊のビジネス書より、1冊の書を使うべし。 しかしこれ、厚いんだよね。巨大な辞書といったカンジで鈍器にピッタリ。 もちろん、図書館の期限内で読みきれるはずもなく、痛勤電車に持ち込めるはずもなく、むなしく延長と延滞の日々を重ねてきた。抄訳である「エッセンシャル版」は読んだのだが、ブツ切りの主張が脈絡なく連なっている。 それが、ありがたいことに分冊版が出た。4分冊になっており、その第1巻を読む。おかげで、彼の考えを順番に追いながら、一緒に考え抜くことができる。すこし読むだけで「気づき」が山ほどでてくる。付せん使うなら、全ページに貼るハメになる(ヘタすると1ページに2

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: ドラッカー「マネジメント」はスゴ本
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    zephyros 2008/07/09
  • 損得勘定の定石を知る「定量分析実践講座」

    コンサルタントやマネージャにとっては、武器庫になる一冊。 もちろん意思決定を行うにあたり、数字で裏付ける重要性は分かってる。けれども、KKD(勘・経験・度胸)だけで決めてないだろうか。最後に「エイヤっ」と決めるとき、跳躍の幅は狭められないだろうか、着地点の精度を高められないだろうか。 そんな意思決定の確実性を高める「定石」が16、紹介されている。 しかも、16種の武器の使いどころや適用例が「case」→「思考のプロセス」→「解説」と三段階で説明されている。「実践的」と銘打っているのはケーススタディが豊富なためだろう。コンビニの新米経営者を主人公とし、彼が直面するさまざまな問題に対し、定量分析手法を駆使していく。その過程を通じて、読者にも武器が扱えるようになるのを狙いとしている。 たとえば、サンクコスト(sunk cost:埋没費用)。 PMBOKガイドで知っていたが、「死んだ子の年を数えな

    損得勘定の定石を知る「定量分析実践講座」
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    zephyros 2008/07/02
  • ライター必携「調べる技術・書く技術」

    一行目から気に入った。簡潔に、こうある。 あるテーマを設定し、それについて調べ、人に話を聞き、最後にまとめる技術を紹介するのが、書のねらい もっと焦点をしぼれば、 ノンフィクションのテーマ設定 資料収集のノウハウ インタビューのアポとりと準備 インタビュー(聞き取り、観察、記録) ネットワーク作り 資料整理 そして執筆の準備から脱稿までの方法丁寧に徹底的に書かれている。プロフェッショナルの具体的な技術が明かされている。こんなに詳らかにしてもいいのかしらんと心配になるほどオープンだ。 野球のバッティングにたとえるなら、「フォーム」にあたる部分が書。ノンフィクション・ライターとして培ってきた膨大な技術の中から、一般にも役立ちそうな「フォーム」をレクチャーしてくれる。 興味深いのは、書き手が「いい嘘」をついているところ。 一般化できそうな「フォーム」に限定しているから、「著者の独創は最小限に

    ライター必携「調べる技術・書く技術」
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    zephyros 2008/06/27
  • 「PMPを取得せよ」と上司にいわれたら、最初にとる5つの対策

    最近、仕事だけでなく人も任されるようになった。死の行進を生き延びてきた。細かい指示ではなく目標と締め切りだけを渡されるようになった―― そんなあなたを上司が呼びつけて、 「おまえ、PMP取りなさい。今年じゅうにヨロシク」 と告げられる。 (゚Д゚)ハァ? 顔文字通りの表情をつくるあなたを無視して、上司はこうまくしたてる。 「SE→PMキャリアを目指すなら、PMPは必須」 「なぁに、受験料は出すから安心しろ(合格したらね)」 「受験条件である35時間の研修は、そのうち受けさせてやる」 「でも実務に影響のないようにヨロシク」 PMPって何? 研修が必要なの? そんなあなたが次にしなければことは何だろう? このエントリを参考にしてほしい。 必要なサイトをチェック PMBOKガイドを入手&チェック 受験日を決めて、逆算してスケジュールを立てる 周囲に宣言する 勉強を開始する ■1 必要なサイトをチ

    「PMPを取得せよ」と上司にいわれたら、最初にとる5つの対策
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 夫婦生活で学んだ7つの心得

    嫁さんと子どものおかげで、今のわたしがいる。 これは冗談でもなんでもなく、わたしが死なずにこれたのは、嫁子のおかげ。かなりアレな人だったからね、わたしは。 ここでは、いい夫婦を続けるために、わたしが身をもって学んだことを書く。ただし、子ども関連は省く。子ども因子はとてもデカいし、別シリーズで書いているので。最重要は「■1 感謝大事」に尽きる。これが欠けていると他に何をやってもダメ。忙しい人はそこだけ読めばOK。 ■1 感謝大事 「ありがとう」は魔法の言葉。ドラマや小説で手垢にまみれた「愛情」なんかより、「ありがとう」の一言がよっぽどリアル。あるいは、アイラブユーとサンキューは一緒。 いや、斎藤一人のまわしものじゃないってば。流行のスピリチュアルや引きよせの法則じゃなくって、夫婦生活で実質的に使える。例えば口論で自分の主張を伝えたいときに言い添える。「△△をしてもらってて、いつもありがたいと

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 夫婦生活で学んだ7つの心得
  • エロゲで泣いて、人生充実するのか、おまえ

    いきなり刺さる。肺腑をえぐるセリフに、たじたじとなる。ちなみに表題は書のタイトルである、「ドラマで泣いて、人生充実するのか、おまえ」をアレンジ。 1ページに、1セリフ。きわめてシンプル。余計な解説一切なし。 読み手はストレートに読み干して、頷いたり呻いたり唸ったりする。大きな余白は、まるで反撃を書き込んでみろといわんばかりだ。ひとつのセリフに一晩かけて語りたくなる(もちろんアルコールの助けがいるくらいこっ恥ずかしい過去話ですけど何か)。 人は失うことでしか、 大事なものを確かめられない。 メッセージ性の強い箴言といえば、岡太郎の「壁を破る言葉」を思いだすが、ちょっと違う。太郎の「信ずるものをヤレ」といった放り出す感覚ではなく、「やれるもんなら、ヤッテミロ!」と激しく挑発的。反発したり頷いたり、読むアジテーション。 社会に「出る」ことが、 会社に「入る」ことであるというのは、 おかしいと

    エロゲで泣いて、人生充実するのか、おまえ
  • 読み巧者を探せ「半歩遅れの読書術」

    スゴい読み手を探せる2冊。書評読書術も役立つが、それよりも自分好みの「読み巧者」を見つけるメリットが大きい。 将を射んと欲すれば先ず馬から、良書を得んと欲すれば先ず読み手から。わたしが知らないスゴは、きっと誰かが読んでいる。だから、を探すのではなく、人を探す(それは、あなたかもしれない)。書のような、いわゆる「」を読む理由は、ソコにある。 書は、日経新聞の同名のコラム4年分をまとめたもの。新刊ではなく、あえて1~2年たった「ちょい古」なをセレクトしているところがミソ。いわゆる著名人によるレビュー・書評というよりも、むしろをダシにした読書の愉しみやにまつわる思い出語りが楽しい。ここでは、書で知った読み巧者を中心にご紹介~ ■ わたしが見つけた読み巧者 まず、小林恭二がいい。 いや、氏の小説は一冊たりとも読んでいないが、彼のオススメ「鷲か太陽か?」(オクタビオ・パス、書

    読み巧者を探せ「半歩遅れの読書術」
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    zephyros 2008/04/14
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊

    毎年この時期になると、「東大教師が新入生にオススメするベスト100」という企画で紹介してきたが、飽きた。 ほとんど変わり映えしないリストにも飽きたし、毎年「ベスト1はカラマーゾフ!」とハヤすのも飽きた。カラ兄が最高であることはさんざん宣伝してきたから、皆さんご承知だろう(異論・反論大歓迎、これを超えるものがあるならね)。 だから、今回はスコープを広げてみる。 ■ この企画の趣旨 東京大学に限らず、新入生を迎えるにあたって、センセイたちは思うところがある(はずだ)。ゼミにくる前に、せめてこれぐらいは読んでおいてもらいたいと望んだり、若かりしころハマったで自分語りをしてみたり。そうした願望を吸い上げているところもいくつか見つけた。以下のとおり。 リスト1 「北海道大学教員による新入生への推薦図書」 リスト2 「京都大学新入生に勧める50冊の」 リスト3 「広島大学新入生に薦める101冊」

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊
    zephyros
    zephyros 2008/04/09
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