タグ

ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (6)

  • ヒューゴー、ネビュラ、ローカスと主要SF賞を総なめにした、エモーショナルな往復書簡時間SF──『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』 - 基本読書

    こうしてあなたたちは時間戦争に負ける (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者:アマル・エル=モータル,マックス・グラッドストン早川書房Amazonこの『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』は、アマル・エル=モータル、マックス・グラッドスト二人の共作による、詩的な時間SFである。英語圏における小説の長さの基準的にはノヴェラ(中編)で、書も240ページほどとコンパクトだ。 エモエモ往復書簡時間SF 作がぱっと見で凄いのは、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、英国SF協会賞と賞的な評価が異様に高いところにある。賞の評価がどれほど高かろうが作品の中身の質の保証にはならないわけだけれども、それなりに期待して読み始めたら、これがたしかにおもしろかった。あらすじとしては、《エージェンシー》と《ガーデン》という二大勢力が時空の覇権をかけて争う──といった感じで、何の新鮮味もない。 だが、実際には

    ヒューゴー、ネビュラ、ローカスと主要SF賞を総なめにした、エモーショナルな往復書簡時間SF──『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』 - 基本読書
  • タイポグラフィがどのようにSF映画の物語に寄与しているのか?──『SF映画のタイポグラフィとデザイン』 - 基本読書

    SF映画のタイポグラフィとデザイン 作者:デイヴ・アディ発売日: 2020/08/18メディア: 大型この『SF映画のタイポグラフィとデザイン』は、まさにその名の通りにSF映画に存在するタイポグラフィとデザインに集中して取り組んだ一冊である。大型で、所狭しと書体とデザインとその解説が並んでいて──一言で言えば最高のだ! 取り上げられていく作品は、『2001年宇宙の旅』『エイリアン』『スタートレック』『ブレードランナー』など有名作ばかりの7作で、数自体は少ないが、代わりに映画に登場する一瞬しか映らないような文字でさえもどんな書体を使われているのか見つけ、それぞれがその映画においてどのような意味を持っているのか分析してみせる。タイポグラフィって要は書体を何にするか決めてどう配置するかぐらいでしょ? そんなに語ることあるの? と思うかもしれないが、これが超重要だ。 未来的と思わせる書体は確

    タイポグラフィがどのようにSF映画の物語に寄与しているのか?──『SF映画のタイポグラフィとデザイン』 - 基本読書
  • 複雑な人間関係・時代関係がカタルシスへと直結していく、尖りすぎた近年最高峰のSFアドベンチャーゲーム!!──『十三機兵防衛圏』 - 基本読書

    十三機兵防衛圏 - PS4 作者:出版社/メーカー: アトラス発売日: 2019/11/28メディア: Video Gameいやはやこれは当におもしろい、今年最高のゲームだった。『オーディンスフィア』などで知られるヴァニラウェア✗アトラスの新作だが、タイトルからもわかるように作はいわゆるロボットゲームである。ゲームパートはRTSのタワーディフェンス型の仕組みが採用されていて、こちらも大変におもしろい内容に仕上がっているのだけれども、特筆したいのは、アドベンチャーパートのシナリオに各種演出だ! 物語冒頭、怪獣の侵攻によって街が破壊されつつあり、人々が逃げ惑う中一人の女子高生が太ももをすっとなでる/さらう動作をすることで、STARTの文字が浮かび上がり、街中の歩道橋越しに巨大な人型ロボットが、ばりばりばりという時空の歪みのあとに突如出現するという一連のシークエンスでぞっこん惚れ込んでしまっ

    複雑な人間関係・時代関係がカタルシスへと直結していく、尖りすぎた近年最高峰のSFアドベンチャーゲーム!!──『十三機兵防衛圏』 - 基本読書
  • 中国だけで2100万部、話題性と本物のおもしろさを兼ね揃えたバケモノ級の中国SF──『三体』 - 基本読書

    三体 (ハヤカワ文庫SF) 作者:劉 慈欣早川書房Amazon『三体』とは! 中国の作家劉慈欣によって書かれたSF三部作の第一部目にして、中国国内だけで三部作累計2100万部を刊行し、さらに日でも人気のケン・リュウによる翻訳によってアメリカ歴史あるヒューゴー賞を受賞した傑作である。ヒューゴー賞受賞の何が凄いかと言うと、翻訳書としてははじめてのの受賞になるのだ。 それぐらい作品の内容が圧倒していたともいえる。で、あまりSFとは縁のなさそうなオバマやザッカーバーグも絶賛していたりとか、アニメ化が決定したりとか話題は尽きないんだけれども、とにもかくにもこれだけは覚えて帰ってもらいたいのは、この『三体』は、話題先行の内容はまあおもしろいね、いうほどじゃないけど的な軟弱な態度で読み終わる作品ではなく、その肥大化しきっているともいえる話題性に劣らない、圧倒的なおもしろさのある、純粋におもしろいSF

    中国だけで2100万部、話題性と本物のおもしろさを兼ね揃えたバケモノ級の中国SF──『三体』 - 基本読書
  • SFマガジン2014年6月号のジュブナイルSF特集について - 基本読書

    面白い特集だった。普段は買わない雑誌でも特集が気になるとつい買ってしまうね。メインの一つとして取り上げられている魔法科高校の劣等生をWeb版から読んでいたこともある。いくつか面白かったところをピックアップして、雑記みたいな感じで思ったことでも書いていこう。 まずジュブナイルSFについてだけれども、これからはジュブナイルSFの時代がくるのかもしれないと思っている。その根にはSFは身近な物になるというか、もうなっているという現状がある。十年後どうなるかろくに想像も変化が早すぎて十年後ろくにどうなるか想像もつかないような現代においては、あっという間に古びていく現代をそのまま書くよりも未来を書いたほうがその心情にはよくあっているからだ。 つまりはSFが現代小説そのものとして普通に需要されるのではないかなあとこれを読みながら、というよりかはもうずいぶんまえから考えていることなので思い返していた。そ

    SFマガジン2014年6月号のジュブナイルSF特集について - 基本読書
    zeromoon0
    zeromoon0 2014/04/26
  • キリの悪い所でやめるメソッド - 基本読書

    小ネタ。よく学習法で「一日たったの五分でOK!」みたいな謳い文句で売り込んでくるケースが見受けられるが、あれは信用ならない。なぜなら何においても「はじめる」のが非常に億劫なのであって、一度はじめてしまえば五分なんていわずに二十分でも三十分でもできるものである。そういう経験がだれにでもあるのではないだろうか。 五分でOKなのか! と喜び勇んでやってみてもその五分の壁が厚い。その壁さえ乗り越えてしまえばあとはすいすいできる。なぜはじめるのだけがやたらと難しいのか理由はわからない。はじめるとやる気成分が出てくるみたいな話をどっかで読んだような気もする。だから問題は一日に何分でOKというその時間の短さではなく、いかにして始めるかだ。 MORI LOG ACADEMYという作家の森博嗣さんの著作の中で「キリの悪いやめ方を心がける」というメソッドが出てくる。これがなかなか素晴らしいメソッドで、もう長い

    キリの悪い所でやめるメソッド - 基本読書
    zeromoon0
    zeromoon0 2013/06/16
  • 1