着目点 伊豆弧の多くの海底火山にはカルデラが存在します。西之島においてもカルデラ形成を伴うような大噴火が起きる可能性があります。 カルデラ噴火の予兆を噴出物や地下構造探査によって探知する挑戦的取り組みが求められています。 西之島の噴火のゆくえ 現在西之島(写真1)は、活動がさらに活性化し、2020年6月以降大量の溶岩と火山灰を放出しています。また火山灰の成分が変化してきたことも報告されています(東京大学地震研究所【研究速報】西之島2019年-2020年活動の観測)。火山活動は、地下深いマントルからマグマが供給され、地殻を形成していくプロセスです。マグマによって地殻の量は増加しますが、地形的な火山体が常に成長・拡大するとは限りません。多くの火山体は成長と破壊を繰り返しています。西之島においても海底地滑りによる火山体の崩壊とそれにともなう津波の推測がなされています(前述の東京大学地震研究所【研