📖 はるか昔の前世紀末に原書が出版され、その20年後(!)にしてようやく邦訳が出た「すさまじい内容」の濃厚研究書。 過去の日本の性習俗について無知な日本人が跳梁跋扈しているいっぽうで、異国の人々は20年前から、これを読んで日本を知っていた。 この事実は、深く踏まえておこう。 江戸では極端なときには男女の人口比が17:10となるほどに男性過多だった。このことが、世界の歴史上、他に類を見ないほどの都市の男性同性愛習慣が出現する下地となった。 逆に男が激減すると ↓”奴隷が連れ去られた西アフリカ諸国では、女子供が過多の状態になった。男女比率が不均衡な社会になると、西アフリカで一夫多妻が増加するなど、伝統的な性の役割に変化が生じる。”科学佇 http://t.co/VDOUQwORPZ 『征服と文化の世界史 民族と文化変容』トマス・ソーウェル — 科学に佇む一行読書心 (@endBooks) 2
地球上の約3.5億トンが人間です。人口を70億人として、1人50kgという仮定です。ひとつの生物種で3.5億トンというのは地球生物史上なかったことかもしれません。 地下生物圏は非常にスローな世界と思っていいでしょう。例えばある研究によると、地底の微生物は一回分裂するのに100〜1000年かかるというのです。 漬物が腐りにくいのは、塩分濃度が高いところでは微生物が繁殖しにくいからです。ところが、塩に対抗する力の強い、つまり塩漬けに強い微生物(好塩菌)がいるのです。 鳥類の筋肉は、ささ身に代表されるように、赤身でない、あまり酸素を消費しない「エコ筋肉」です。だからこそ、人間なら死んでしまうような8000m級の山々を越えていけるのです。 衛星タイタンはオレンジ色がかって見えます。それはメタン(あるいはエタン)が発する色ではなく、大気にある有機物の色だと推測されていますが、その正体はわかっておらず
『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か』 坂井豊貴 岩波新書 ●一人一票ではなく、みんながそれぞれ第三希望まで候補者に投票できるとしたら、選挙結果はどう変わる!? 多数決にもさまざまな手法があることを知れば、今現在の投票方式が「誰にとって」有利なように作用しているのかが見えてくる! ボルダルール、ダウダールルールなどをはじめとして、基本をやさしく魅せてくれる、手軽な「社会的選択理論」の入門書。 多数決という意思集約の方式は、日本を含む多くの国の選挙で当たり前に使われている。だがそれは慣習のようなもので、他の方式と比べて優れているから採用されたわけではない。 同じ著者の 『マーケットデザイン 最先端の実用的な経済学』 も評判の良い一冊 2021年10月30日の『週刊まるわかりニュース』#NHKプラスhttps://t.co/jX3j4DIuIG 20分めあたりから、多数決よりも民衆の意向をよ
『日本会議の研究』 菅野完 扶桑社新書 扶桑社 ●日本でやっと「なにその日本会議って」と沙汰することができるようになった流れを作ってくれた貢献者の語り。 🈲 本書は2017年1月に、特定の個人について「事実とはいえない記述が含まれる2行」があるとして、出版禁止の判断がくだされました。 「ネトウヨ」は、ネットを情報ソースにしている場合が多い。大半は「出典」が添えられているが、そうした「出典」はほとんどの場合、『正論』『WlLL』『歴史通』といった、「保守論壇誌」だ。 こうした保守論壇誌に登場する面々には「なぜ、その人がその記事を書くか」の「脈絡」が存在しない。 やはり菅野氏の「日本会議の研究」がおすすめ。日本会議の活動の原点は60年代に左翼学生から受けた屈辱にあり、彼らの主眼は左翼への報復にあって、真正の右派思想集団ではないとの分析は興味深い。安倍政権にも相通じる分析だ。https://t
📖 人種差別、学歴差別、女性差別などの「格差やヒトを不幸にする社会問題を、解決しなくていいやと肯定し温存してしまう」そんなヒトの社会的心理反応について、その度合や仕組みを調べてまとめてくれたのがこの本だ。 実態から遊離した平等神話が白人社会と黒人社会の間で概ね共有されている。住宅供給上、実際に人種差別があるにもかかわらず、白人の大多数(86%)黒人の大半(58%)が、黒人も白人と平等に住宅を取得しているとみなしていた。 学歴主義の風潮が最も強かった1970年代は、皮肉にも、学歴による経済的格差(大卒と高卒の初任給格差)が、日本の近現代史を通じて、最も小さい時期であったという。 なるほど。学歴による経済格差が最も小さかったにもかかわらず、学歴という「高級品」を崇拝する学歴主義が強かったのが、大学受験だと1952年〜62年生まれ(現在63歳〜53歳)ということですね。ポスト全共闘〜シラケ〜ニ
📖 何十年も前から読み継がれるロングセラー本。 「たしかに!」と思わせられる親子あるあるの心理こじれをいろいろと指摘してくれていて、親子関係のみならず、広く人間関係を考えなおすきっかけにもなる。 真実を言って罰せられると、子どもたちは自分を防衛するために嘘をつくようになる。 子どもにとって脅しは、禁じられた行為をくりかえす誘いになる。「もし、それをもう一度やったら」と言われると、「それをもう一度やってごらん」というふうに聞こえてしまう。 約束は子どもにするべきではないし、子どもにさせるべきでもない。なぜなら、子どもたちとの関係は信頼にもとづいていなければならないからだ。 怒ったときには、「私」という主語を用いて、自分が見たもの、感じたこと、期待することを述べよう。子どもを攻撃するのは避けよう。 いやみの才能のある親ほど、子どもの精神衛生上、害になるものはない。 子どもをほめるときは、具体
【2015年に拝読した中からベスト】https://t.co/QScwNpp4fv 『プシコ ナウティカ』『裏山の奇人』『天皇陛下の全仕事』『男色の日本史』『復元 江戸生活図鑑』『ぼくらの哀しき超兵器』『「地震予知」の幻想』ほか pic.twitter.com/noIE5yz6aB — 科学に佇む一行読書心 (@endBooks) 2016年8月9日 平成27年に拝読した400冊の中から、endBooksの人が「特にこれ!」を選んでみました。 この本を読んだのがこの年だった、ということでして、出版年についてはバラバラです。 ■ インパクト上位20冊の順不同 こころと生き方 『プシコ ナウティカ イタリア精神医療の人類学』 ┗「自己効力感 自分には何かできる感」を大事にする文化であるか否かは、幸福の構造と質を大きく左右する 『ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何を
宮中三殿の歴史はきわめて新しいものです。とくに皇霊のお祭りに関しては、本来、仏式だったものを神式に改めているので、完全に明治生まれといってよいでしょう。はるか古代からというのは、たんなるイメージにすぎません。 孝明天皇の時代には、宮中三殿などという宗教施設は存在せず、歴代天皇霊の祭祀は、平安時代の昔から、宮中の黒戸とよばれる場所で、仏式によって行われてきた。 現在の神社神道は、明治以降に改編・整備された「新生神道」です。江戸より以前の信仰においては、神仏はわかちがたく結び合わされており、いまの日本人が考える神社神道とは全く趣を異にしていました。 廃仏毀釈以上に、最も明治時代に規制受けたのって、実はそれ以前の神道なのよね。そりゃ、神道には「現人神」なんて概念ないもの。(この辺は平泉澄参照) https://t.co/lqXx1PNAKv — 如月 宗一郎 (@S_kisaragi) 2016
ルーペで楽しむキレイな砂粒から、ふつうに大きな石の塊まで。 品質にこだわらなければ、ステキな石や宝石はわりと近所に豊富に存在しているのだよ。 日本では砂金が見つかる川が多くある。特に有名なのは北海道であり、枝幸地方では大きな砂金(ナゲット)が見つかっている。 産出する砂金は銀などとの合金になっていることがほとんどで純金より少し白っぽく、比重も16くらいになっている。 琥珀は比重が水に近いため海水に浮く。バルト海では浮いた琥珀が海岸に打ち上げられるという。日本では材化石を含む堆積岩の中から見つかる。 琥珀は大きさのわりにものすごく軽いです。私が去年見つけた琥珀は5cm大で14g。飽和食塩水に入れると浮き、水道水に入れると沈みます。プラスチックや人工樹脂だと食塩水に入れても沈むそうです。 pic.twitter.com/cpxpdosS2q — むれ子 (@mureko605) 2017年2月
平成26年に拝読した400冊の中から、endBooksの人が「特にこれ!」を選んでみました。 この本を読んだのがこの年だった、ということでして、出版年についてはバラバラです。 ■ 10位 『妊娠と出産の人類学 リプロダクションを問い直す』松岡悦子 ● 松岡さんの調査と視点は、今の「あたりまえ」をグサリと刺して、ドキリとさせる。 機会があれば(海外の研究者がよくやるように)ライターと組むなどして、一般向けに努めた著作を出してみてほしいところ。 こちらで紹介 『妊娠と出産の人類学』 ■ 9位 『夫夫円満』パトリック・ジョセフ・リネハン&エマーソン・カネグスケ ● ものすごく頭の良い人が語る、ポリティカルコレクトな、純愛。 ちょっと感動しちゃうほど美しい告白本。 …パッと見、にたものふうふ だよね。 こちらで紹介 『夫夫円満』
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