悲しい話をすると、僕、回らない寿司屋って行ったことがないんですね。多分。 そして、そんな貧しい僕は、回らない寿司屋での注文方法を知らないので、注文の仕方を想像することしか出来ないんです。 でもきっと、注文できずにいると粋な大将が、何を握るか聞いてくると思うんですよ。 でもコミュ障の僕は、粋な大将とお話することなんて慣れてないじゃないですか。だから最小限の会話で終わらせられるよう、「お任せで」とか言っちゃうと思うんですね。 そしたら大将はここぞとばかりに、普段は注文されないような高級魚を握ってみたり、試作的なゲテモノの寿司を握ってみたりして、僕を実験台にすると思うんですね。 でもそれに文句を言おうものなら「お客さん、お任せでっていいましたよね?」とか言われて、何も言い返せず、大将の気が済むまでメチャクチャ寿司を握られると思うんです。 そう、まるで寿司屋に弱みまで握られた人みたいに… (どやぁ