『シラノ・ド・ベルジュラック』(Cyrano de Bergerac)は、エドモン・ロスタン作の五幕の韻文戯曲。題名通り、17世紀フランスに実在した剣豪作家、シラノ・ド・ベルジュラックを主人公にしている。サラ・ベルナールを介して知った俳優、コンスタン・コクラン(Coquelin aîné)の依頼で書いた。 初演は、シラノ没後242年の1897年。ポルト・サン=マルタン座(Théâtre de la Porte Saint-Martin)の12月28日の初日から500日間、400回を打ちつづけ、パリ中を興奮させたといわれ、以降今日に至るまで、フランスばかりでなく世界各国で繰り返し上演されている。 シラノ・ド・ベルジュラック 本作の主人公。哲学者であり、理学者であり、詩人、剣客、音楽家と多才だが、類いまれな醜い容姿を持つ。同性の友人が多い反面、ロクサーヌに出会うまでは母を含めたあらゆる異性に敬