今夏の参院選を控え、日本維新の会が、党創設者で弁護士の橋下徹氏との距離感に腐心している。政界を引退してからは「党の意思決定には一切関与していない」(松井一郎代表)というが、コメンテーターとして各メディアに出演する橋下氏の発言が、これまで維新の党勢拡大に大きく寄与した点は否定できない。もっとも最近は、ウクライナ情勢を巡る橋下氏の持論がたびたび〝炎上〟。党見解と同一視されぬよう火消しに追われる場面も目立つ。 「橋下氏は日本維新の創設者。われわれも深い敬意を抱いているが、今は民間人で党とは関係がなく、ウクライナ情勢についてはわが党の公式見解とは、かなり大きな隔たりがある」 3月29日、参院外交防衛委員会。維新の音喜多(おときた)駿政調会長が、参考人として出席したウクライナ人国際政治学者、グレンコ・アンドリー氏への質疑前に、こんな「ことわり」を入れるシーンがあった。