福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」で2010年、燃料交換用の装置が原子炉内に落下したトラブルで、日本原子力研究開発機構は8日、新たに製作した装置が正常に動くことを確認し、トラブル前の状態に復旧したと県や敦賀市に報告した。 もんじゅでは10年8月、燃料交換に使う炉内中継装置(長さ12メートル、重さ3.3トン)が撤去作業中に落下。装置は衝撃で変形し、原子炉容器の上ぶたに引っ掛かって抜けなくなった。 原子力機構は昨年6月、装置を回収。経済産業省原子力安全・保安院の検査を受け、新たな装置で正常に燃料が交換できることを確認した。 中継装置の回収や新規製作などに21億円かかったという。原子力機構はトラブルの責任を問い、鈴木篤之理事長ら役員4人は給与の10%を1カ月間返納、もんじゅの近藤悟所長は厳重注意の処分とした。