「トム・ソーヤーの冒険」や「ハックルベリー・フィンの冒険」で有名なアメリカの作家マーク・トウェインには A Tramp Abroad(邦訳「ヨーロッパ放浪記」)という旅行記があり、その補遺にある The Awful German Language(邦訳「ひどいドイツ語」)というエッセイには、ドイツ語を学ぶことのむずかしさが描かれている。 そのエッセイで述べられているドイツ語の特徴の一つに、単語の長さがある。ドイツ語の単語の中にはあまりに長いものが多くあり、たとえば Freundschaftsbezeigungen (友情の表明) というような単語は長すぎて遠近感が感じられ、遠くからでなければ全体を見通すことができず、アルファベットの行進のようなもので、想像力を働かせると行進の旗が見えたり音楽が聞こえたりする、とユーモラスに語られている。 ドイツ語の特徴の一つに、たしかに造語力の高さがある。