海外旅行に行く気軽さで、宇宙に出かけたい――。 これまで絵空事で片づけられていた宇宙エレベーターが思わぬ広がりを見せている。小型模型を使った実験競争が熱を帯び、教科書の題材にも登場。「理系人気」に乗って、中高生らを引きつけている。 千葉県船橋市の日大習志野高校で昨年12月に開かれた宇宙エレベーターの開発イベントに参加したのは、高校生3チームと大学生1チーム。高度50メートルの高さに浮かべた気球からロープを垂らし、エレベーターに見立てた車輪付きの小型模型を上下させる性能を競った。成功したのは三重県の工業高校チームで、イベントを開いた「宇宙エレベーター協会」の大野修一会長(45)は「子供たちの熱意がすごい」と目を細めた。 宇宙エレベーターは「宇宙旅行の父」として知られるロシアの科学者ツィオルコフスキーが19世紀末にまとめた理論に基づいている。アーサー・C・クラークのSF小説などにも登場し、ロケ
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