安倍総理に一筆啓上 渡辺喜美 世の中には「常識には反するが真実だ」ということがあります。100年前、光は重力で曲がると考えたアインシュタイン博士の相対性理論などその典型でしょう。 黒田日銀総裁が打ち出したマイナス金利もその一例かもしれません。銀行が日本銀行に預けたら利息を取られるということは常識に反します。しかし、デフレというのたうち回るような頑固な便秘を治す下剤としては非常に有効な手段です。 いま、260兆円ある日銀当座預金の大半に0.1%の利息が付いています。これは2008年に白川総裁が始めたことです。民間企業なら銀行の当座預金金利はゼロ。でも日銀は年間約2200億円も銀行にボーナスをあげています。ちょっと甘やかし過ぎですね。 今回のマイナス金利は、今ある260兆円ではなく、2月16日から増える分について0.1%のいわば手数料を取ろうというもの。対象はおよそ10兆円程度とされます。日銀