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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (95)

  • 概算要求でよみがえる「美濃部都政」の悪夢 - 池田信夫 blog

    きのう締め切られた概算要求は、なぜか夜になっても総額が発表されず、私のニューズウィークのコラムも1日遅れてしまった。概算要求の発表が翌日にずれこむなんて前代未聞だ。 その原因は、私の想像どおり総額が「90兆円台前半」ではなかったからだ。きのうまでに発表された各省の予算を合計すると70兆800億円。それにきょう出た財務省と法務省の要求24兆9600億円を合計すると、95兆円を超える。財務省の発表が最後まで遅れたのは、予備費などの「隠し財源」を削って95兆円以内に収めるためだったと思われるが、それでも「前半」にはできなかった。 鳩山首相は、財政悪化を懸念して「マニフェストの一部断念」を示唆した。もともと両立不可能な「バラマキ福祉」と「無駄の削減」という二兎を追った結果、その矛盾が露呈したのだから、どちらかを断念するしかない。政府債務が900兆円を超え、財政の破綻確率が94.58%と推定され

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    zorio 2009/10/16
  • オーナー企業の時代 - 池田信夫 blog

    Businessweekの選ぶ世界の優良企業40社の第1位に、グーグルやアップルを押えて任天堂が選ばれた。ユニクロは過去最高益を更新し、世界展開をめざしている。この4つの企業に共通しているのは、所有と経営の分離していないオーナー企業だということだ。 所有と経営の分離はバーリ=ミーンズによって資主義の新しい形態とされ、バーナムは経営者資主義によって企業は計画経済の長所を取り入れることができると主張した。しかし所有と経営が分離すると、Jensen-Mecklingが指摘したエイジェンシー問題が発生する。これを克服するために欧米では資の所有権と命令でコントロールする垂直統合型の巨大企業が発達したが、これは命令される従業員のインセンティブを弱める。それを監視する階層構造が多重化する・・・という悪循環によって「大企業病」に陥る企業が増え、欧米型の垂直統合企業は1970年代以降、没落した。

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    zorio 2009/10/10
  • 『希望を捨てる勇気』発売 - 池田信夫 blog

    拙著がきょう発売された。渋谷のブックファーストで見ていると、手に取るのは圧倒的に若者が多い。こういう暗いタイトルが若い世代にアピールするのは、あまり喜んでいいことではないと思うが・・・ 特に印象的だったのは、20代のニートみたいな感じの若者がずっと立ち読みしていたことだ。この写真を撮ってから40分ぐらいして屋を出るとき、まだ読んでいた。自分がなぜこんな境遇に置かれているのか、答を求めているのだろうか。彼は売り上げには貢献しないだろうが、私のメッセージはきっと伝わったのだろう。

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    zorio 2009/10/10
    「20代のニートみたいな感じの若者」
  • 著作権法は現代の禁酒法 - 池田信夫 blog

    Winnyの開発者、金子勇氏に逆転無罪判決が出た。これは法技術的にはともかく、ファイルの無断コピーが大量に行なわれ、P2Pがインターネットのインフラになりつつある実態に裁判所があわせたもので、コモンロー的には当然の判決だろう。BitTorrentやSkypeばかりでなく、ヤフー動画でさえ実はP2Pで配信されている。皮肉なことに、47氏の個人的な意見ですけど、P2P技術が出てきたことで著作権などの 従来の概念が既に崩れはじめている時代に突入しているのだと思います。 お上の圧力で規制するというのも一つの手ですが、技術的に可能であれば 誰かがこの壁に穴あけてしまって後ろに戻れなくなるはず。 最終的には崩れるだけで、将来的には今とは別の著作権の概念が 必要になると思います。という予言が現実になりつつあるのだ。ニューズウィークに書いたように、そもそもインターネット自体がホストを直結するP2

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    zorio 2009/10/08
  • 原口一博氏の意味不明な放送論 - 池田信夫 blog

    きのうJ-WAVEで「日版FCC」について話したのだが、ちょうどその日の朝日新聞に出ていた原口総務相のインタビューについて説明を求められて困った。何をいっているのかわからないからだ。[原口氏は]委員会の基的な性格を「政治権力から独立した委員会」とし、言論統制の危険を排除する、と強調した。具体的には、警察庁に対するチェック機関である国家公安委員会のような独立行政委員会として組織。法的権限を与え、総務省に報告や是正を求められるようにする。これはFCCとはまったく違う。ジャネット・ジャクソンの「おっぱいポロリ」事件でCBSに55万ドルの罰金を課したことでもわかるように、FCCは警察のような監視機関である。他方、国家公安委員会は警察庁を監督する機関であり、民間人や企業は対象としていない。原口氏の話だと、警察的な機能は総務省に残ることになるが、これでは何のために分離するのかわからない。 業界の

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    zorio 2009/10/07
  • 共産主義の興亡 - 池田信夫 blog

    社会主義は1990年代に崩壊したと思っている人が多いようだが、書も指摘するように、スターリンの死んだ1953年から崩壊は始まっていた。1960年代後半の新左翼は社会主義国を「スターリン主義」と呼んで敵視しており、1980年代に崩壊したときは、とっくに知的権威を失っていた。むしろ問題は著者もいうように、あんな非効率な国家がなぜ70年以上ももったのかということだ。 共産主義はユートピア思想としては古くからあったが、マルクスの思想は圧倒的に完成度が高く、多くのインテリを魅了した。しかし当の労働者には彼の思想は理解できず、西欧では共産主義運動は失敗した。ロシア革命は、第一次大戦のドサクサにまぎれたクーデタで、レーニンとトロツキーの革命政府は少数派による軍事政権だった。共産主義が貧しい民衆の支持を得たのは、党にすがれば今よりいい生活ができるという救済の約束だった。 この点では、社会主義は「科学

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    zorio 2009/10/05
  • オリンピックという幻想 - 池田信夫 blog

    東京が、めでたくオリンピックに落選した。グーグルで「東京オリンピック反対」で検索すると68万件もあり、私のブログ記事が2番目に出てくるが、「東京オリンピック賛成」は28万件だ。「熱意がない」というIOCの判断は的確である。それを無視して、150億円の都税と800人の都職員をくだらないお祭り騒ぎに動員した石原知事は、新銀行東京の後始末をして引退してはどうか。 そもそもオリンピックを国際的行事として崇拝しているのは日人だけで、IOCなんて国際機関でも公的組織でもない、私的なスポーツ団体にすぎない。かつてはIOC委員に公然と賄賂を贈るのは当たり前だった。IOCはテレビ中継などに巨額の料金を取る商業団体であり、商業化を推進したサマランチ前会長は、フランコ独裁政権のスポーツ長官で、いかがわしい噂も多かった。今回も問題外と見られていたマドリッドが第1回投票で1位になったのは、サマランチ氏の影響とい

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    zorio 2009/10/04
  • 森永卓郎という電波芸者 - 池田信夫 blog

    城繁幸氏のブログ経由で、日経BPの森永卓郎氏のコラムを読んで、コーヒーを吹いた。彼はこう書く:はたして、デンマークのフレクシキュリティは、当に日のモデルとして適当なのだろうか。実は、同じ西欧の国でも、デンマークとは正反対の労働政策を進めている国がある。それは、デンマークとはドイツをはさんだお隣にある国、オランダである。オランダは、デンマークとは異なって解雇に対する規制が極めて厳しい。当ブログでも書いたように、欧州委員会がフレクシキュリティのモデルとしているのはデンマークとオランダである。くわ...

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    zorio 2009/10/04
  • ACCJインターネット白書 - 池田信夫 blog

    ACCJ(在日米国商工会議所)が「インターネット・エコノミー白書」を発表した。かつてはUSTR(米通商代表部)の別動隊として活躍したACCJも、最近は「ジャパン・パッシング」ですっかり影が薄くなった。むしろ台頭する中国などの新興国に追い抜かれないように日がどういうIT政策をとるべきかを提言している。従来からの主張である「日版FCC」も掲げているが、今回の重点は電波政策だ。その部分を抜粋しておこう。周波数オークションの導入:日の商用電波の割当ての手法として、市場ルールに基づくオークションを導入すべきである。その第一歩として、ACCJは日政府に対し、周波数オークションを試験的に導入し、OECD各国で採用されているこの手法の有効性を確かめることを提案する。 電波取引の導入:ACCJは、電波の柔軟な利用の推進とともに、電波の割当てプロセスを補完するためオークション方式か審査方式かを問わず、

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    zorio 2009/10/02
  • 経済成長というゲームの終わり - 池田信夫 blog

    今週のニューズウィークにも書いたが、JALの年金債務は、日の他の企業にも通じる深刻な問題だ。日経新聞の今年3月の集計によれば、主要上場企業の年金・退職金の積立不足は総額約13兆円と、前年比で倍増した。この最大の原因は、株安によって年金原資が大幅に減ったためだ。上位10社は次のとおり:日立製作所:6866億円 NTT:5763億円 東芝:5446億円 ホンダ:4566億円 パナソニック:4188億円 三菱電機:4039億円 富士通:4001億円 トヨタ自動車:3929億円 NEC:3483億円 日航空:3314億円どの企業でも、積立不足の額は積立額に近いか上回っており、年金積立のほぼ半分が不足している。こうした年金債務は現在の会計基準では計上しなくてもよいので「簿外債務」になっているが、今度のJALのように企業が破綻するリスクが出てくると現実の債務となる。国際会計基準が

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    zorio 2009/10/02
  • 鳩山由紀夫氏のモラトリアム宣言 - 池田信夫 blog

    コメントで教えてもらったが、これは驚いた。総選挙で鳩山由紀夫氏は「返済猶予法案は川内博史氏のアイディアだが、私も応援する」と明言した。これでは亀井氏もいうように、彼を更迭するのは不可能だろう。亀井氏の抱き合い心中で、さっそく内閣総辞職か。

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    zorio 2009/09/28
  • 亀井静香氏を更迭する方法 - 池田信夫 blog

    鳩山首相と小沢幹事長が日にいない間に、亀井郵政・金融担当相の暴走はエスカレートし、テレビ番組で「モラトリアムに反対なら私を更迭してみろ」と首相に挑戦状をたたきつけた。民主党が参議院で単独過半数に満たないことから強気に出ているものと思われるが、彼を更迭することは可能だ。 首相が臨時国会を10月25日の参議院補欠選挙のあとに設定したのは意味深長だ。参議院の定数242のうち、今は民主党系113、国民新党5、社民党5の連立で過半数(122)を1議席上回っているが、補選で民主党が2議席とも取り、無所属...

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    zorio 2009/09/28
  • 花岡信昭氏の「絶滅危惧種的メディア論」 - 池田信夫 blog

    産経新聞の元政治部長だった花岡信昭氏が、日経BPで「記者クラブ制度批判は完全な誤りだ」と主張している。昨今の記者クラブ開放に反対する勇気ある発言、といいたいところだが、その論理があまりにもお粗末で泣けてくる。彼はこう宣言する:日の記者クラブは閉鎖的だという主張は完璧な間違いである。アメリカのホワイトハウスで記者証を取得しようとすると、徹底的に身辺調査が行われ、書いてきた記事を検証され、指紋まで取られる。そのため記者証取得には何カ月もかかる。[・・・]内閣記者会には、日新聞協会加盟の新聞社、通信社、放送会社に所属してさえすれば、簡単に入会できる。これは「閉鎖性」とは何の関係もなく、アメリカセキュリティ・チェックがしっかりしていて、日はいい加減だということである。私がNHKに勤務していたころは、記者証を政治部の記者に借りて首相官邸の中まで入ったこともある。記者証さえあれば武器のチェック

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    zorio 2009/09/25
  • 財政刺激は役に立たなかった - 池田信夫 blog

    John Taylorもブログを始めた。経済もドッグ・イヤーで動き始めた現代には、もう学術論文では間に合わないのだろう。その最初の記事で引用している彼のWSJの記事では、オバマ政権の財政政策によってDPI(可処分所得)は一時的に上がったが、PCE(個人消費支出)には変化がなかったことを示している。 なお来月からアゴラもバージョンアップして、日の(数少ない)専門家のブログのネットワークを構築し、定期コラムニストを設けて、もう少し格的なウェブメディアにする予定。

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    zorio 2009/09/24
  • 「日本版FCC」は何のためにつくるのか - 池田信夫 blog

    朝日新聞によれば、政府が「日版FCC」をつくることを決めたそうだ。これは民主党が昔から提唱している政策で、私も5年ほど前に議員立法の原案を見せられたことがある。そのとき「何のためにやるんですか?」と質問したら、提案者は「欧米ではみんなやっているから」としか答えられなかった。 7月の情報通信政策フォーラムでも、会場から「規制部門を分離したら具体的にどういうメリットがあるのか?」と質問されて、内藤正光氏(現副大臣)は「政府を批判する放送局を政府が規制するのはおかしい」と言っていたが、彼はFCCが政府機関ではないとでも思っているのだろうか。FCCは職員2000人以上の堂々たる政府機関であり、メディア局にはすべての放送を監視する職員がいて、不適切な放送には最高数十万ドルの罰金を科す。 そもそも特定の番組が適切かどうかを政府機関が審査する必要があるのだろうか。この点については、総務省べったりの

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    zorio 2009/09/23
  • 景気対策で「身分格差」は直らない - 池田信夫 blog

    井出草平の研究ノートという社会学者のブログに、「ロストジェネレーションは計量的に支持されない」という記事があった。ここで彼が批判しているのは、現在の雇用問題の原因を単なる不況による「就職氷河期」の問題とみる説だ。大卒の求人倍率だけをみると、90年代には1を割ることもあった大卒求人倍率が、2006年には2を超えている。これだけみると「景気さえよくなれば雇用問題は解決する。構造改革なんてナンセンス」という、今は亡きリフレ派の議論が当たっているようにみえる。ところが、非正社員の比率を年齢別に分析すると、次のようになっている: これを受けて井出氏はこう結論する:若年者の正規雇用率が高まっていくのは、1980年くらいから始まる長期トレンドであるが、景気回復によって、この傾向が変化したことはない。変化したのは、大卒ホワイトカラーという恵まれた立場の人間たちの就職率(正規雇用率)が高まった程度である。

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    zorio 2009/09/22
  • バフェットの「ケータイ音痴」がリーマンを破綻させた? - 池田信夫 blog

    磯崎さんのツイッター経由で知ったが、「ウォーレン・バフェットがリーマンを破綻させた」という都市伝説は当だったようだ。彼に対するCNBCのインタビューによれば、バークレイズがリーマンを買収するには、同社の保有する「毒入り資産」についての米政府の債務保証が必要だったが、財務省は株主の同意を要求した。バークレイズの首脳は、バフェットが出資を約束すれば財務省を説得できるかもしれないと考えて、土曜(9月13日)の夜8時に彼の携帯に電話したが・・・Buffet: Oh, I got a call. I was in Edmonton at a social event. I was at the hotel at about 6:00 or so Edmonton time. [...] They described the transaction to me that I really could

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    zorio 2009/09/21
  • 自民党が参院選に勝つ唯一の道 - 池田信夫 blog

    自民党の総裁選がおもしろい。特に河野太郎氏は、森喜朗氏や町村信孝氏が彼の推薦人集めを妨害したことを実名で暴露し、「派閥の親分でありながら、小選挙区で当選されず比例代表で上がった[町村氏のような]方は、比例の議席を次の順番の若い世代に譲って頂きたい」と発言した。谷垣禎一氏の「全員野球」という方針については、「全員野球には私は反対です。あしき体質を引きずっている人はベンチに入れるべきではない」と、青木幹雄氏も名指しで批判した。 小泉改革の評価については、他の2人が曖昧な態度に終始したのに対して、河野氏は「方向性として官から民へ、中央から地方へという動きは正しかった」と小泉政権の構造改革路線を肯定的に評価し、「小さな政府」路線を明確に打ち出した。 きわめつけは、総裁選に敗れた場合の身の処し方として「自民党が再生できなかったら、みんなの党と一緒にやるかは別にして、何らかのことを考えることはあり

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    zorio 2009/09/20
  • 2.5GHz帯はオークションで仕切り直せ - 池田信夫 blog

    日経新聞によれば、ウィルコムが私的整理の検討に入ったようだ。ウィルコムの経営危機はこれまでにも噂されており、筆頭株主のカーライル・グループが金融危機で資金難に陥っていることから、破綻は時間の問題とみられていた。 ASCII.jpでも指摘したように、この事件は「電波社会主義」がいかに非効率な結果をもたらすかの見だ。2007年の2.5GHz帯の割り当てのとき、情報通信政策フォーラムでは「オープンな審査をやれ」と提案したが、ウィルコムは公開討論をドタキャンした。総務省は美人投票の「財務的基礎が充実している」という項目で、ウィルコムにNTTドコモを上回るA評価をつけた。 原口総務相のきらう周波数オークションをやらないと、こういうことになる。官僚はビジネスの結果に責任を負わないので、採算性を考えないで既存業者や政治家の意向を受けて免許を割り当てるからだ。ウィルコムの非常識な美人投票も、「日の丸

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    zorio 2009/09/19
  • 「記者クラブの壁」の崩壊 - 池田信夫 blog

    きのう日のツイッターで最大のアクセスを集めたのは、「岡田外相 全メディアに記者会見を原則開放」というスポニチの記事を伝えた私のメッセージだった。その後、この記事を毎日、産経、共同、時事が追いかけたが、今に至るも朝日・読売・日経はまったく伝えていない。 昔ならこの3紙が情報カルテルを組めば、発生した事件もなかったことにできたかもしれない。しかし今では、グーグルで上の記事を検索しただけで2160件も出てくる。かつて国境を越えた電波が東欧の民主化を進めてベルリンの壁を壊したように、今やウェブは記者クラブの壁を壊したのである。

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    zorio 2009/09/19