ブックマーク / hachim.hateblo.jp (91)

  • 果てなき消耗戦 - はちまドボク

    記憶の中にぼんやりと残っていた写真を、ようやく探し当てることができた。車で長野県小谷村に行った際に、日海に抜けて親不知海岸まで足を伸ばしたことをすっかり失念していた。 北アルプス山脈の北端が日海に飲み込まれている場所は、知らない間に親子の行方がわからなくなるという名の通り、昔からの交通の難所だ。尋常ではない波の力が作用し続けているため、現代の道路や鉄道もずいぶん苦労しながら維持管理されている。 もちろんその海岸を防御すべく、消波ブロックというクローン兵が大量に配備されている。しかし、彼らは荒波に揉まれて疲弊し、摩耗し、強制的に砂に戻されている。なんとも言えない悲壮感が漂う消耗戦。献身的な彼らのことをうっかり忘れていた自分を叱責している。

    果てなき消耗戦 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2021/01/11
  • 体験で引き寄せる歴史 - はちまドボク

    最近、あらためて「近代デザイン」の歴史を時間軸に沿ってざっくり俯瞰する機会を得た。というか、そうせざるを得なくなった。その過程の中で、昨年末に訪れたイギリスでの体験をしばしば振り返っていた。なんせこの国は、近代デザインの源流である産業革命の発祥地であるせいか、いろんなことが重層的に絡み合っているようなのだ。 ブルータリズム建築の事例で頻出する「ロイヤル・ナショナル・シアター」は、1976年につくられことを考えると、このムーブメントの最後発だろう。当時は世間からの風当たりも強かったらしく、時代の変わり目にさしかかっていたのかな。僕の目からは、ものすごくかっこよく見えるのに。そんなことを考えながら、実際に建築空間をたっぷり堪能した。 ここ最近、ブルータリズム建築の表層を積極的に鑑賞していたのに、その内側に流れる文脈は不勉強のまま強く踏み込まなかった。でもようやく、うっすら位置付けが読めるように

    体験で引き寄せる歴史 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2020/12/30
  • 名塔に大空間を与えたEV - はちまドボク

    あらためて写真を眺めても、エッフェル塔はすごいな。ここまで多くの人に感動を与えられる構造物も珍しいんじゃないか。誕生当時のディスられっぷりは凄まじかったようだが。 ひとつひとつの部材が極めて注意深く構成された肌理の細かさにも驚愕するけど、なんと言っても、重力と風力に抵抗すべく踏ん張る末広がりの4の美脚から上半身が迷いなくシュッと立ち上がっていくフォルムが、たいへん魅力的だよね。そのフォルムを成立させているだけではなく、実際の空間体験においてスケールの変化にゾワッとなるのは、4面をアーチで囲まれた大空間が塔直下にあるためだろう。 この塔は登って街を見下ろすこと自体が建設の目的なので、徒歩以外で上に移動するための手段が不可欠だった。当然のようにエッフェルの設計チームは、中心にエレベーターを貫通させるなんて無粋なことはしなかった。斜めの足に沿ってあらかじめ、インクラインのように移動するエレベー

    名塔に大空間を与えたEV - はちまドボク
    zu2
    zu2 2020/06/28
  • 毎日が遊園地 - はちまドボク

    3月に広島に出張した際に、ずいぶん前から「いつか見に行くリスト」に入れていた「スカイレール」を、ようやく体験できた。噂に違わず、血湧き肉躍る唯一無二の新交通システムだった。なにしろ懸垂式モノレールなのかロープウェイなのかゴンドラなのかケーブルカーなのかアトラクションなのかよくわからないし、異常な急勾配のレールが街の上空を貫いているし、スキー場やテーマパークのような非日常感すら漂っている。来訪者としては脳天気にここに住む方々に嫉妬せざるを得ないが、実際はどのように受け止められているのだろうか。結構な傾斜地に展開する住宅地は「スカイレールタウンみどり坂」と呼ばれていることからも、この宅地開発におけるシンボルであることは間違いのだろうけど。 そんな興奮を訪問直後にTwitterでつぶやいたところ、さっそく多数かつ詳細な情報が寄せられて、いろいろ勉強になった。基的な駆動方法は急傾斜に対応すべく、

    毎日が遊園地 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2020/05/30
  • 不当な扱い - はちまドボク

    今日は駐車場に関する文章を書いていたのだが、すっかり迷走してしまった。駐車場って現代の都市において極めて重要な役割を担っているのに、不当に低く扱われているんじゃないかと憤慨しはじめたのだ。 駅とか空港などの交通モードが切り替わる場所って、それなりに力を入れて整備されることが多いと思う。でも、駐車場は徒歩と自動車という移動速度が大きく切り替わるポイントである駐車場は、あまり興味を持たれることがない気がする。そればかりか、あくまでもバックヤード的な施設と言わんばかりに経済的効率が優先され、「ヒト」よりも「クルマ」の都合でつくられているんじゃないか。まあそんな異質さに魅力を感じたりするわけだが。 結局、頭のモードを切り替えられず、自分がどこに行こうとしているのかを見失ってしまい、書いていた文章は全くまとまっていない。やばい。

    不当な扱い - はちまドボク
    zu2
    zu2 2020/05/28
  • 大型連休の過ごし方 - はちまドボク

    「STAY HOME週間」はなぜ「STAY HOME WEEK」や「自宅待機週間」ではないのだろうという疑問はさておき、この大型連休を家で過ごすためになにをするかを考えることは、たいへん重要なテーマだ。まあ僕の場合はこの週間に、慣れないリモート講義に使う動画の制作を、泣きながら一気に進めなければならないことは、一時的に忘れるとして。 すでにいろんな施設や組織がネット上に興味深い動画を限定公開しているので、それらを探して徹底的に観まくるのもいいよねえ。シリーズものの映画やドラマを観まくるとかもいいよねえ。プレイステーションのゲーム「ファイナルファンタジー7リメイク(FF7R)」をやりまくって、「STAYミッドガル週間」にするのもいいよねえ。少し前に僕も体とともにFF7Rを買ってみたよ。ぜんぜん進んでないけど。ちなみに上に貼った写真は、広島県大竹市に実際にあるそれっぽい工場。ミッドガルみがよ

    大型連休の過ごし方 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2020/04/29
  • 世界の見方の拡張 - はちまドボク

    文化は人と人との接触から生まれる。ところが現在、その関係を断つことを迫られ、他者に対して疑心暗鬼となり、得も言われぬ重苦しい空気があたりを覆っている。生命や経済の危機に際しては、文化という価値などはじめからなかったような雰囲気すらある。しかし、こんなときだからこそ、文化がもたらす重大な価値を僕らが守り伝え育むことは、後世の人々に対する責任だよな。 なんて大層なことを頭の片隅に置きながら、自分ができることはなんだろうと常に考えながら行動したい。それも、僕がこれまで取り組んできたことの延長線上で、できるだけ「面白い」方向で。たとえそれが些細なことであっても。 その機会は、まったくの偶然を装って、すでに訪れていた。昨年の末、6年近く前に出版した『ヨーロッパのドボクを見に行こう』の編集者から、面白そうな企画の連絡があったので積極的にの宣伝をしてきなさいと命じられたのだ。そして、送っていただいた企

    世界の見方の拡張 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2020/04/23
  • 大地の穴 - はちまドボク

    人類は穴を掘り続けてきた。断熱性や保温性のある住処として、生活で出た廃棄物を埋める場所として、死者を弔い大地に還す場所として。まだ科学と信仰が一体だった頃、莫大な利益や強力な軍事力につながる錬金術に魅せられ、採掘の技術や規模は拡大していった。そして、蒸気機関による動力により、鉄鉱石や石炭をはじめとする鉱物資源の大量採掘や大量輸送が実現し、産業革命という構造変革が一気に加速した。現在も大地の中に眠っているさまざまな鉱物資源を獲得するために、多様な方法で穴を掘り続けている。もちろん、できるだけ社会的コストがかからないように。そして、現代社会における僕らの日常がある。 上の写真は、カルスト地形で有名な秋吉台の南端にある、山口県美祢市の露天掘り石灰石鉱山。言うまでもなく石灰石は現代社会を支えるコンクリートの原料のひとつであり、日国内で100%自給できる数少ない鉱物資源である。数億年前の生物が地球

    大地の穴 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2020/04/19
  • 今が旬 - はちまドボク

    もう10年近く前になるが、オランダ滞在時に有名な観光名所が改装中という事態に幾度となく見舞われた。それを繰り返すうちに、足場や養生シートで覆われた名所になんとなく反応するようになり、気がつくと写真で記録するようになっていた。 そんなこともあって、有名なのに見たことがない宮島の厳島神社の大鳥居が作業足場に囲まれていると知り、これは今のうちに見に行かねばならないとウズウズしていた。この度ようやく広島への出張が実現したため、前乗りして宮島を訪問した。 これが思っていた以上に素敵だった。足場で覆われた大鳥居の姿は、奥ゆかしいのに堂々としていて、とにかくかっこいい。もちろんこの件については、自分でも自分はどうかしているのではと思っている。

    今が旬 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2020/03/16
  • 喫煙祭壇 - はちまドボク

    昨年の夏、山口へ出張した際に街をうろついていたら、たまたまブルータルな雰囲気の建物の脇を通った。よく見てみると、山口市民会館と書かれている。回り込んでみると特徴的な階段が目に止まり、誘われるように登った。そのアプローチの先にあったのが、上の写真の喫煙所だ。 門のような構えの空間、上部の重々しいコンクリート塊、何かを象徴しているかのような円い窓、シンメトリーに配置されたプラスチックのシェルチェア、威風堂々と掲げられたプレート、そして中央に鎮座している灰皿。うっかり手を合わせて拝みかけた。 思えば僕がタバコを放棄したのは10年前の2010年の元日。今ではすっかりタバコの臭いに不快感を抱くようになっている。でも、あまりにも虐げられ、蔑まれている喫煙者に同情することもある。たまには喫煙行為が祀られる場所があってもいいかもしれないね。

    喫煙祭壇 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2020/02/21
  • 表現された機能 - はちまドボク

    北上川の河口近くに、皿貝川への逆流と塩水の流入を防ぐ月浜第一水門がある。2006年に改築された姿は、しびれるほどにシャープで潔い。基的に水平垂直の強烈な直線で構成されていて、わずかに現れる斜めのラインが効いている。 これって土木構造物にありがちな「なっちゃったカタチ」ではなくて、明確な意志を持って「やったカタチ」だ。「機能主義デザイン」という、ともすればエンジニアの思考停止に結びついてしまう概念に真正面から取り組まれたのだろう。油圧シリンダーとか、中空の門柱とか、折りたたみ式の足場とか、このカタチを成り立たせている仕掛けはとても手が込んでいる。 もちろん個人的には、鑑賞者の立場からすると「なっちゃったカタチ」が嫌いではない。読み解きが楽しかったり、親近感を抱いたりするし。むしろ、きれいにまとめようとしたものは、姿勢が鼻についたり、あざとさにうんざりすることもあるもんな。そんな穿った見方を

    表現された機能 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2020/02/21
  • 廃墟に刺さる折鶴 - はちまドボク

    ブリストルに宿泊した翌朝、再開発が進められているブリストル・テンプル・ミーズ駅の東側を、エイボン川に沿って少しだけ散策した。昨年完成したばかりというセント・フィリップス歩道橋(St. Philips Footbridge)を見るために。事前にたまたまチェックしていたArch Dailyの記事を見て、三つ叉のシャープなシルエットがかっこいいかもしれないと思ったのだ。しかし、どうも周辺の様子がわからない。たどり着けるのか不安な気持ちを抱えながら行ってみると、観光客が全く行かないような裏感満載の場所だった。 要塞か工場かは調べていないが、廃墟的佇まいの対岸は未整備エリアなので、この橋は対岸で閉ざされており、まだ来の役割を果たしていない。ところがすでに落書きが満載なのだ。せっかくのシュッとした構造フォルムも素敵なおさまりのディテールも、デビュー前から台無し。供用前からすでに廃墟化が進んでいるよう

    廃墟に刺さる折鶴 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2020/01/30
  • イギリスの大偉人 - はちまドボク

    イギリスの公共放送局であるBBCは2002年、「100名の偉大なイギリス人(100 Greatest Britons)」というランキングを発表した。その当時、僕のまわりがざわついたことをなんとなく憶えている。なにしろ、超有名人を押さえて第2位となった人物が土木技術者のイザムバード・キングダム・ブルネル(Isambard Kingdom Brunel、1806-1859)だったのだ。 ウィキペディアの当該ページによると、シリーズ番組制作のために投票と討論によって決定されたという。とりあえずトップ10を見てみると、1位:チャーチル、2位:ブルネル、3位:ダイアナ元妃、4位:ダーウィン、5位:シェイクスピア、6位:ニュートン、7位:エリザベス1世、8位:ジョン・レノン、9位:ネルソン提督、10位:クロムウェルとなっている。参考までに、スティーブン・ホーキングは25位、ナイチンゲールは52位、フレ

    イギリスの大偉人 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2020/01/30
  • ティンタジェルへの旅 - はちまドボク

    明けましておめでとうございます。 もともと弱い僕の記憶力は年が変わるたびに輪をかけてやばくなっている気がするけれど、10年以上も継続しているこのブログにはずいぶん助けられている。自分の外部に記録を残し続けることって、若い頃にはそんなに執着しなかったんだけど、振り返ったときに極めて有益になるんだなあと実感している。体験の記憶を容易に外部化できるって、情報化社会の重要な恩恵だね。そんなわけで、年もダラダラとブログを続けようと思っている。 年末の「私的ドボク大賞2019」では『ティンタジェル城歩道橋』が受賞したわけだが、立地環境も含めて当に見応えがある橋なので、これから訪問してみようかなあと思う方もおられるだろう。できたばかりだし。ところが、現地にたどり着くにはハードルがそこそこ高い。そこで、今回の旅で僕が得た留意点や反省点などを書き残しておこうと思う。年初なだけに、たまには誰かの役に立つ情

    ティンタジェルへの旅 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2020/01/04
  • 私的ドボク大賞2019 - はちまドボク

    今年はロンドンで大晦日を迎えている。これまで溜め込んだマイレージをフル活用して往復の航空券を入手したので、事や宿泊などのコスパが極めて悪いイギリスで散財しても、それほど気にならないというわけだ。過去に1度だけロンドンに来た時に、ドボクデザインがヨーロッパ大陸とは少し違うなあという印象を抱いたが、今回もじわじわと同様の感触を得ている。ここら辺はいずれ言語化していきたいな。 さて、今年も第11回目となる歳末恒例行事『私的ドボク大賞』を催行しよう。これは僕がその年に体験したドボク的ネタを振り返り、僕が感激したものを自薦して、僕が選考・表彰するという、誰の共感も求めない自作自演のアワードだ。審査のステップは、twitteを用いてノミネート候補作品を抽出し、そこから最終選考の対象となる作品を絞り込む方式とした。ということで、いきなりだけど、今年の最終選考の対象は以下の8作品となった。 1:ビスカヤ

    私的ドボク大賞2019 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2019/12/31
  • 遺跡をつなぐ橋 - はちまドボク

    イギリス人が大好きなアーサー王の生誕地なんじゃないかと噂されている、コーンウォール地方のティンタジェル。浸作用で中間部分が崩落したという13世紀のティンタンジェル城の遺跡を再びつなぐように、今年の夏、ローラン・ネイが手がけた新たな橋『ティンタジェル城歩道橋(Tintagel Castle Footbridge)』が架けられた。信じがたいほどに軽快感や透明感が突き抜けている橋だ。アーチ橋に見えるけどアーチ構造ではない。両側からキャンチレバー構造で迫り出し、中央部分はつながっていないという謎構造。 何年も前からネイさんの講演会などでこの橋のことを聞いており、いつか見に行けるといいなあなんて夢想していたのだが、開通のニュースをきっかけにネット上を徘徊しているうちにどうしても観たくなり、エアチケットを夜中にうっかりクリックしてしまった。そして12月24日の便で日を発ち、クリスマスの25日の朝か

    遺跡をつなぐ橋 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2019/12/27
  • 廃天井川という器 - はちまドボク

    滋賀県の草津市に、江戸時代から引き継がれた都市内の天井川の跡地という、極めて特殊な環境に立地している帯状の公園がある。「de愛ひろば」と名付けられた公園は、中央部にいると両側が囲まれたスリバチ状の窪地なんだけど、両端部に行くと街を見下ろすことができる高台だったりする。これが実に不思議な空間体験が得られる。長時間にわたって堪能したけど、何度でもクラクラできたよ。 細長い空間にはスタイリッシュでシャープなテイスト、手作り感溢れるフレンドリーなテイスト、なにも考えていない安っぽいテイストなど、さまざまなデザイン要素がてんこ盛りに詰め込まれている印象だった。しかし、時間帯によって属性が異なる多くの市民が集い、憩い、遊んでいる様子を目の当たりにすると、カオス的な状況も賑わいを生み出す大事な要因になっていることを意識できた。 それってもしかすると、都市の中心にあるのに外界から遮断されている囲繞空間だか

    廃天井川という器 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2019/12/24
  • グランプリファイナル会場 - はちまドボク

    まさに現在トリノで行われているフィギュアスケートのグランプリファイナルをテレビでチラ見して、この会場に行ったことがある気がした。確認してみると、たしかに2011年に訪れていた。たまたま脇の道を通った際に、シェル構造の屋根と赤い壁面が印象的だったので、ドキドキしながら中に潜入したことを思い出した。内部にはスケートリンクがあって、もしかして荒川静香が優勝した会場では?と思ったところで観察を終わらせていたことも思い出した。おそらく、外観と内観の印象が全くつながらなかったので、忘れてしまったのだろう。その前後に見たいろいろのインパクトが強すぎたせいもあるだろう。 いまさらながら調べてみると、アンニーバレ・リゴッティ(Annibale Rigotti)という人によって設計された、名前は「パラベラ・トリノ(PalaVela Torino)」という施設のようだ。なんと1961年にオープンしたという。そん

    グランプリファイナル会場 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2019/12/08
  • 廃川を見上げる - はちまドボク

    豪快に鉄道を跨いでいる盛土が河川の堤防だったなんて、ちょっと信じがたいよね。 草津は江戸時代から東海道と中山道が合流する宿場町。その発展を支えた川が草津川なわけだが、どうやら尋常ではない量の土砂も供給されていたようだ。河床が上がると水害が発生しやすくなるので、必然的に堤防を高くせざるを得ない。それを繰り返していくうちに、想像を超えるスケールの天井川に成長してきたわけだ。しかし、見ての通りあまりにも災害リスクが高い。ついに、別の場所を掘り下げて河川自体を新調することになり、巨大な廃川が誕生したわけだ。このように何重にもおかしなことになっているので、現地を見ても動揺しっぱなしだった。まあ詳しくはデイリーポータルZの萩原さんの記事を参照していただきたい。 この鉄道を跨ぐ区間は、川だった当時が残されているのだが、写真右側の上流部からは、「de愛ひろば」と名付けられた帯状の公園として利活用されている

    廃川を見上げる - はちまドボク
    zu2
    zu2 2019/12/06
  • 火災映像 - はちまドボク

    首里城には何度も行っていた気になっていたのだが、最近の沖縄訪問では外側から見ただけだった。特に2013年の沖縄日帰りツアーでは、開場時間にギリギリ間に合わず、殿を入口から眺めただけだった。今となっては、もう一度しっかり見学したかったなあと後悔せざるを得ない。せめて再建のための寄付を、しっかりしていきたいと思う。 今回の首里城の火災も、今年4月のノートルダム大聖堂の火災も、また、首里城火災の直前にあった札幌の元職場での火災も同様の感覚に陥ったが、個人的に大切に思えるものが燃えさかる映像はたいへんショッキングで、どうにもこうにもいたたまれない気持ちになる。もちろん洪水や津波の映像にも近い印象を受けるけれど、どこか違う面がある気がしてならない。 もしかすると、幼少期の体験が影響しているかもしれない。小学1年生の頃に近所で大きな火災があり、自宅の窓からずっとその状況を見つめ続けていたようなのだ。

    火災映像 - はちまドボク
    zu2
    zu2 2019/11/02