ブックマーク / tihara.hatenadiary.org (28)

  • コンピュータ将棋の駒落ちに関する雑記、その1。 - 2012-12-09 - IHARA Note

    将棋には「駒落ち」というハンデ戦があります。強い方の人が駒をいくつか使わないというルールです。初期局面は例えばこんな感じです。 この駒落ちは、将棋文化としては、「純粋なハンデ戦」としての側面と「指導将棋用のルール」としての側面の主に2つがあります。どちらもルールとしては変わりませんが、強い方の人(これを「上手(うわて)」という)が全力を出すか出さないかなどの違いはあります。弱い方の人(「下手(したて)」)は常に全力です。 ここまでが前置きです。 この駒落ちとコンピュータ将棋をからめて、これまでに雑記を5回書いたので、それにリンクを張ります。今日の日記はこのリンク先が主役です。手抜き更新ともいいます。話が進むにつれて徐々に内容が薄くなります。 ☆☆☆ https://plus.google.com/u/0/108007043574812149024/posts/NrCybGyDi4r 11

    コンピュータ将棋の駒落ちに関する雑記、その1。 - 2012-12-09 - IHARA Note
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    zu2 2012/12/10
  • 「山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた」2012-10-21 - IHARA Note

    今日の日記は「山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた」というの感想です。 私のブログを読むような人なら、読んで損のないだと思います。名著です。 iPS細胞の研究をする前は何の研究をしていたのか、なぜiPS細胞の研究が必要だと思ったのか。山中さんがどのように研究を進める人なのか。山中さんの研究室の人たちは何をしたのか。山中さんは研究をする上でどのようなことを大切にしているのか。その他いろいろと書かれています。 読んでいて楽しくなれるです。山中さんの人柄や優秀さがこれでもかというほど伝わってきます。 iPS細胞を作ろうと思ったのがどうやら奈良先端大学着任時の1999年前後。そして、初めてiPS細胞が作れたのが2005年。そこからさらに実験データを溜めて世に発表したのが2006年。わずか7年で偉業を達成しています。驚くべき速さです。 さて、ここから私の感想です。 そんな優秀な山

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    zu2 2012/10/22
  • google翻訳の技術倫理に悩む。 - IHARA Note

    今日の日記はgoogle翻訳で日中国に関する要らぬ議論が出ているという話です。多少政治的な話題が入りますが、政治的な話題はメイントピックではないです。 google翻訳で、「中国が日を侵略した」を英語に訳しても、「日中国を侵略した」を英語に訳しても、どちらも "Japan invaded China"となってしまうので、これはgoogleの陰謀に違いないという話が出ています。google中国の味方をしているという見方です。 統計的機械翻訳という概念を知っていれば、この誤訳は「まあそういうこともあるだろうな」で済んでしまう話ではありますが、中身をまるで知らない人にとってみれば、なるほどgoogleが意図的に日をおとしめているように見えても仕方がないところですね。 googleというのは、いかに意図を持たずに情報を処理するかということに全力を注いでいる会社なので、まあ意図を持つと

    google翻訳の技術倫理に悩む。 - IHARA Note
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    zu2 2012/09/23
    良エントリ /
  • 物語自動生成と報道戦略。 - IHARA Note

    昨日から松原さんの「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」が話題になっています。ITメディアや日経済新聞で採り上げられています。 おそらくそのあたりの記事を読んだ方には、あたかも小説の自動生成が新しいプロジェクトのように映ると思うのですが、実のところかなり前からある人工知能のトピックだったりします。 私も2005年前後に物語生成周辺を調べたことがあるのですが、日人の中で論文をたくさん書いていたのは小方孝さんでした。どうやら今は岩手県立大学に研究室を持っているようですが、私が調べた頃は山梨大学にいました。 山梨大学の「研究活動」のページに論文一覧があり、それを見ると小方さんはすでに1995年に物語生成に関する博士論文を書いていたことが分かります。その後、ずっと物語生成にかかわり続けています。 そういうことを踏まえての感想なのですが、報道戦略って大切ですね。松原さんが悪いわけではない

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    zu2 2012/09/10
  • ヒッグス粒子が話題です。 - IHARA Note

    今、ヒッグス粒子が話題です。私も気になったのでヒッグス粒子についていろいろとウェブ上を検索してみたのですが、さっぱり分かりませんでした。重力がどうのこうのとか、クォークとなんとかとフォトンとなんとかとあとそれがないとおかしいとか、そういう日語は読めるのですが、内容がほぼ理解できません。スピンって何、なんで1/3とかいう数値が出てくるのとか、分からないことだらけです。 で、思いました。きっと、私の出身研究室でさっぱり音声の研究ができなかった学生たちというのはそういう気分だったんだろうと。きっと、周波数って何、なんで確率が出てくるの、とかそういう気分だったんだろうと。私にとってのヒッグス粒子は、彼らにとっての音声で、しかも彼らは私とは違ってどうにか卒論をやり過ごさないと卒業できないというすごいプレッシャーがかかっていたはずです。もっといえば、中学校の二次方程式でつまづいた人たちも、「は?」と

    ヒッグス粒子が話題です。 - IHARA Note
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    zu2 2012/07/07
  • 母音のよくある図。 - IHARA Note

    だからといってどうということもない話。分かる人だけ分かってください。 世界中の母音を語る上でこの図がよく出てきます。口を開いているとか、前の方で喋っているとか、口が丸いとか、あの図です。 現在、別の目的のために母音をちょこちょこといじっているのですが、この図の存在とまるでかみあわないんですよ。そのうちかみあうのかもしれませんが、とりあえず今はこの図の存在が私の中で否定されつつあります。 まあ、音声認識とか音声合成とか工学系の技術はこの図とあまり関係がないので困らないんですが。

    母音のよくある図。 - IHARA Note
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    zu2 2012/06/11
  • 文理な話。- IHARA Note

    最近はどうでもいい話はgoogle+に書いているのですが、この話をgoogle+に書くのもちょっとなあと思ったので、こっちに書きます。「Google 辞めました - アスペ日記」を読んでの感想です。 リンク先のエントリは、一言でいってしまえば会社と自分との方針が違ったのでgoogleを辞めたというただそれだけの話なんですが、面白かった。こんな私の文章なんか読んでいないでご一読ください。多分、8割くらいの人には面白いから。 この人の経歴がプロフィールのところに書かれていたので読んでみたのですが、これがすでに面白いです。京都大学の工学部を一年で辞めて、大阪外大でがっちり言語の勉強をしているんですね。その後、ワープロソフトを作る会社で働いて、それからもう一度語学の勉強をして、京都大学の自然言語処理の修士課程に入る。で、約一年前にgoogleに入って退社。 要するに、文系的な意味で言語の好きな、理

    文理な話。- IHARA Note
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    zu2 2012/05/13
  • 弱いコンピュータ将棋「こまお」について。 - 2012-04-18 - IHARA Note

    今日の日記は周回遅れの技術で作ったコンピュータ将棋の話です。 先日、「こまお」(移転先はこちら)というコンピュータ将棋を公開しました。こまおの特徴はとにかく弱いことです。攻めは遅く、受けはほとんどできず、筋は悪く、一手詰すら見つけられません。その上、平手から10枚落ち(玉と歩だけ)まであるので、10枚落ちを選べばほとんどの人が勝てるでしょう。アルゴリズム的にも数世代前のものを使っており、しかも、わざわざ駒損する筋を選んだりします。 なぜ、そんなコンピュータ将棋を作ったのか。それが今日の日記の題です。昨年末だったと思いますが、プロ棋士の遠山五段がニコニコ動画の生放送で、コンピュータ将棋について「人を育ててくれるようなコンピュータ」について言及していた憶えがあります(ちょっと記憶が曖昧なのですが)。そのときは、将棋の道場は人手不足でルールから教えなければならない人はさすがに教えていられないこ

    弱いコンピュータ将棋「こまお」について。 - 2012-04-18 - IHARA Note
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    zu2 2012/04/18
    素晴らしい。エントリ書いた。 -> http://shogi.zukeran.org/2012/04/18/komao-for-shogi-beginner/
  • 学者の試行錯誤ツイートについて。 - IHARA Note

    日の日記は、学者の一般的な印象に関する話である。 先日友人に、学問でえないと愚痴を言っていた。そうしたらその友人に、「そういえばずっと前の音声の解説面白かったよ」と言われた。音声は私の専門である。それはそれで嬉しいのだけれど、その友人はそれを私の作業への最大限の肯定として言っていたのが残念でもあった。なぜ残念なのかといえば、解説こそが学者の仕事だという印象を抱かれていることがなんとなく分かったからである。付き合いの長い友人で、これからも付き合っていくだろう友人がそういう感じなので、おそらく周りに学者がいない人は、テレビや新聞で解説している学者の印象しかないだろうと思う。 学者の作業で最も多くの時間を割かねばならないのは、研究に関する試行錯誤であり解説ではない。特に、素人への解説はエンターテインメントの側面が強いので、作業の中心とはならない。また、順序立てて公式のようなものを当てはめてい

    学者の試行錯誤ツイートについて。 - IHARA Note
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    zu2 2012/03/11
  • 初音ミクが人間的な歌声を出せるのに、なぜ音声合成は機械的な声のままなのか - 2007-09-12 - IHARA Note

    時流に乗るのはこのブログの流儀に反するが、一応書いておこうと思う。なお、日の日記で書くことはほとんどが推測である。なぜなら、公式サイトに書かれている "Frequency-domain Singing Articulation Splicing and Shaping" に関する論文が見つからないからである(出典を知っている人は教えてください)。ただ、的はさほど外してはいないはずである。 さて、初音ミクを知らない人のために、ひとまずリンクを張っておこう。公式ページはこちらである(http://www.crypton.co.jp/mp/pages/prod/vocaloid/)。簡単にいえば、初音ミクというのは、歌唱用の音声合成ソフトウェアである。ユーザが譜面と歌詞を打ち込み、ソフトウェアが合成音で歌う。この合成音の質が予想よりもよいために(また企業の戦略やウェブの状況もよかったために)、

    初音ミクが人間的な歌声を出せるのに、なぜ音声合成は機械的な声のままなのか - 2007-09-12 - IHARA Note
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    zu2 2012/01/21
    なるほどねえ。問題を変形することで、回答を求める人に努力を強いる、という正しい方法論なのかもしれない /
  • ゾウがゾウの絵を描くときの描き方と、輪郭 - 2009-01-03 - IHARA Note

    年末の「徹子の部屋」に絵を描くゾウのVTRが出てきた。もしかしたら有名な話なのかもしれないが、絵を描くゾウを見たのが初めてだったので驚いた。鼻先にペンを持ち紙にゾウの絵を描いていく。youtubeにも動画があったので貼り付けておく。 面白いと思ったのは、このゾウの絵が人間の絵の描き方にそっくりだったからである。人は絵を描くとき、なぜだか知らないが輪郭から描いていく。塗りつぶすべき内側から描いていく人はまずおらず、ほとんどの人が輪郭から描く。動画を見てもらえれば分かるが、このゾウも輪郭を描いている。 画像処理を少しでもかじったことのある人なら分かると思うが、写真から自動的に輪郭だけを抽出するのは難しい。以前このブログでもやったことがあるが、単純な処理だと下の図のようになる。下の図の何が問題なのかといえば、と車のボンネットの区別がついていないところである。輪郭の候補をとり出すことはできても、

    ゾウがゾウの絵を描くときの描き方と、輪郭 - 2009-01-03 - IHARA Note
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    zu2 2012/01/21
  • 聞き取りやすい英語への音声変換手法 - 2009-03-19 - IHARA Note

    音響学会の春季研究発表会(全国大会)に行ってきた。一日目のみの見学である。十件の口頭発表と五件のポスター発表を見てきたが、その中で最も印象に残っている発表を紹介する。なお、筆頭著者にはブログに書く旨を伝えてある。 題名は「聞き取りやすい英語への音声変換手法」というものである。この発表は実現させたい技術の方向性が面白かった。題名からは、日人の英語の発音を矯正しようといったよくある趣旨の研究に誤解してしまいそうだが、全く違う。流暢な英語の発音は日人にとって聞きとりづらいから、それを日人にとって聞きとりやすい発音に変えてしまおう、というのがこの研究の目的である。ネイティブイングリッシュをジャパニーズイングリッシュに変えてしまおうというのが狙いなのだ。日人にとってネイティブイングリッシュは流暢すぎるのである。 この研究目的の面白いところは、技術的な不安が少ないということである。例えば、

    聞き取りやすい英語への音声変換手法 - 2009-03-19 - IHARA Note
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    zu2 2012/01/21
    発想が面白いなー /
  • 的確な質問をしようとすると空回りする。 - IHARA Note 2008-10-22

    日の日記は親しみのわく教員の例。の補足でもあり、もっと当たり前すぎて教えてもらえなかった研究のこと. - いまだに落ち着きのない三十路(アラフォー)のコメント欄に関連することでもある。 どの大学にも「分からないことがあったらなんでもいいので質問をしてください」と無茶なことを言う先生や先輩は存在する。そう、これは無茶である。昔から言われていることではあるが、質問ができるのはある程度分かっているときだけであって、まるで分からないときには無理なのである。でも、そのまるで分からないことを質問する方法は存在する。 結論を端的に言えば、「何が分からないのかが分からない」ということを質問の形式で伝えればよい。以下、具体例を書く。 例えば、大学の研究室で卒業研究のテーマを与えられたとしよう。そして、そのテーマもその説明も理解できなかったとしよう。そして、教員が「分からないことがあったらなんでもいいので質

    的確な質問をしようとすると空回りする。 - IHARA Note 2008-10-22
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    zu2 2012/01/21
    『「何か質問はありますか?」ではなく、本当に切羽詰まっている学生や後輩がほしいのは、「助けようか?」なんじゃないかと思う』 /
  • 55将棋KIDSの感想。 - IHARA Note

    日の日記はコンピュータ将棋に関する話である。コンピュータ将棋といえば、ここ数年でやたらと強くなったという認識を持っている方も多いと思われるが、強くするだけがコンピュータ将棋ではない(強くすることは最重要課題であると思うが)。コンピュータ将棋を通して人間の思考について考察をするというのも重要な課題の一つである。その実践例としてKIDSというプロジェクトをおこなっている研究室がある。 KIDSというのは簡単にいえば、コンピュータ将棋の要素の「探索」と「局面の評価」の二つのうち、局面の評価のみで将棋を指してみようというプロジェクトである。人間風に言い換えれば、「大局観」をいかに実装するかというプロジェクトになる。コンピュータ将棋風にいえば、全幅一手+静止探索(多分)ということになる。この大局観の要素(駒割りや複数の駒の相対位置や絶対位置など)を一つ一つKIDSシステムのユーザが記述していくこと

    55将棋KIDSの感想。 - IHARA Note
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    zu2 2012/01/21
    思考の言語化(プログラム化)が理解に与える影響の重要性がわかる /
  • サイバー大学に関する雑感。 - IHARA Note

    サイバー大学という大学がある。これはインターネットの大学の総称ではなく、例えば早稲田大学とか東京大学といった名称と同様に、固有名詞である。私は現在そこで授業補助のアルバイトをしており、結構面白い特質を持った大学だと思ったので雑感を書く。 私がサイバー大学に来てからの印象は、とにかく学生がよく勉強するというものである。学生は社会人が多く、全体の半分以上を占めているのだが、もしかしたらそのせいかもしれない。おそらく、私の出身校の電気通信大学や、そのほかの多くの有名でない国立大学の学生よりはよほど勉強していると思う。 ほとんどの授業が「講義」と「演習」の対になっており、単位をそれぞれ同数くらいずつとらなければならない。おおむね、耳と目で理論を習うのが講義であり、手や電卓などで計算をしたりプログラムを書いたり文章を書いて提出したりするのが演習である。もっと簡単にいうと、インプットが講義でアウトプッ

    サイバー大学に関する雑感。 - IHARA Note
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    zu2 2010/01/31
    なるほど。そうなのか。 / なのになんでうさんくさく感じるんだろうか
  • 「何かが欠けている音声認識研究」についての話。 - 2009-12-26 - IHARA Note

    12月21日から22日にかけて、東京大学で「第11回音声言語シンポジウム」という学会が開かれ、その初日に東工大の古井貞煕先生が「何かが欠けている音声認識研究」という題名で講演をした。日の日記はその講演に対する感想である。 (ところで日の日記は下書きの段階で一度消したのであるが、音声研究者3名が読みたいというのでゴミ箱から引っ張り出してきた次第である。その際、加筆修正をした。) 私の感じた結論を最初に書いておくと、「欠けている何か」を補うのは他分野の人か、博士課程に進学しない修士の学生なのではないかと思っている。そしてその人たちは論文ではなくブログを書くべきだと思っている。と書いてもなんのことか分からないと思うので、これから順をおって書く。 古井先生の話は「音声認識技術の進歩が止まっている」というところから始まった。古井先生は国内外で有名な音声認識工学の研究者である。日音声認識界で知

    「何かが欠けている音声認識研究」についての話。 - 2009-12-26 - IHARA Note
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    zu2 2009/12/27
    google IMEみたいなブレークスルーが必要なのかも。
  • 音声認識の現時点での限界。 - IHARA Note

    音声認識技術の限界を三つの例を通して語る。 一つ目の例は「ふっかつのじゅもん」である。この「ふっかつのじゅもん」についてはおそらくはてなのキーワードリンクを読めば分かると思うので、説明はしない。要するに、五十二文字のランダムなひらがなの羅列である。 「ドラゴンクエスト2」プレイ当時小学校低学年だった私は、このふっかつのじゅもんを一文字ずつ電話で伝えてもらったことがある。電話で伝えてもらった五十二文字のふっかつのじゅもんは、正常に動作した。つまり、私はランダムなひらがなの羅列を100%の精度で聞きとったことになる。 一方、現在の音声認識機に同じことをさせたらどうなるのかということを実験してみた。簡単に実験しただけなので、精度の数値に関してはあまり信用してほしくはないのだが、音声認識機は約六割程度の精度でしか「ランダムなひらがなの羅列」を認識してくれなかった。ただこの六割という精度は私の知って

    音声認識の現時点での限界。 - IHARA Note
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    zu2 2008/05/12
    フォネティックコードが必要なレベルなのかも。
  • IHARA Note - 数学の授業では数学を教えていない。

    話の枕として、最近当にあったことを語る。 先日、とある縁のある研究室にふらっと遊びに行った。私は三十分くらい雑談をして帰るつもりだったのだが、その時期は卒業発表の時期で、その日がちょうど研究室内のリハーサルだったらしく、暇だったら見ていかないかと先生に言われた。合計六人の学部生たちのプレゼンテーションを見て、質疑応答の練習などをした。私も質問をしたし、ほかの学部生や修士の学生たちも質問をしていた。私が見るかぎり、プレゼンテーションの能力も質疑応答の能力も我々の時代とほとんど変わりはなかったが、一つだけ著しく劣っていた能力があった。数式やアルゴリズムの読解力である。 私がDCTとDFT(どちらも彼らの分野ではよく出てくるはずの用語)の差の質問をしようとすると先生から「いや、その話は難しすぎるからちょっとやめて」とストップがかかった(確かに数学が苦手な人はいるかもしれないが、難しすぎるとは思

    IHARA Note - 数学の授業では数学を教えていない。
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    zu2 2008/05/12
    幾何のセンスなのかな? でも大学の数学だとレベルが違うんだよなあ。
  • 子音と音声認識。 - IHARA Note

    久々だと思うのだが、音声認識の話題である。異論はあるかもしれないが、現在の自動音声認識は母音やある種の有声子音を中心に発達してきたように思える。DPマッチングや隠れマルコフモデルやデルタ特徴量などで、時間変化も見られるようにはなっているが、基的にはスペクトルエンヴェロープを見ており、エンヴェロープから読みとりやすいのは母音や有声子音の種類である。 スペクトログラムを目視して、/k/,/t/,/p/などの無声破裂音、/g/,/d/,/b/などの有声破裂音を区別するのは難しい。文献を読めば、「第二フォルマントにそれらを区別する特徴が現れる」などと書かれてはいるが、それをスペクトログラムから読みとるのは相当難しいことである。「かきくけこ」と「ぱぴぷぺぽ」をスペクトログラム上で区別するのは難しいのである。また、/s/,/sh/を区別するのも難しい。 また、「やゆよ」は日語や英語では半母音を伴っ

    子音と音声認識。 - IHARA Note
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    zu2 2008/05/12
    延ばすと母音が表われるから、じゃないのかなあ。
  • 「や」という発音について。 - IHARA Note

    知っている人は知っている話ではあるが、私もこの前初めて確かめたので、あらためて書こうと思う。 「や」という発音は「い」から「あ」に滑らかに変化することによって発声される。そう聞くと、どこかに「い」と「あ」の境界がありそうな気もするが、そんなものはない。 まず、「や」という発音を録音する。次に、「い」と「あ」の境界はここかなという場所を探す。そして、その境界の前の「い」であるべき部分の音を聞いてみる。期待に反して、「や」に聞こえる。次に、境界のあとの「あ」であるべき部分の音を聞いてみる。やはり「や」に聞こえる。どう頑張っても、境界は見つからず、境界の前後両方もしくは片方が「や」に聞こえてしまうのである。

    「や」という発音について。 - IHARA Note
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    zu2 2008/05/12