「選挙に行こう」キャンペーンというものが実に胡散臭いです。 最近は投票に出かけると一杯無料、みたいなサービスも出ているようで、国家の作為というより、どこかオリンピック的というか、「人民の自主参加」による投票運動、というポストモダン的な状況が出来上がっているようにも見えます。 選挙に行くのは良いことではないか、多くの人々の政治意識を高めて民主主義をより良いものにすることの何が間違っているのか、等と言われるかもしれません。確かに、今わたしたちの暮らしている社会状況の中で、選挙に行くこと自体は、人のものを盗んだり猫をいじめたりするような種類の「悪いこと」ではありません。老いた親の肩を揉む程度には、ぼんやりと「良いこと」とされているものです。だからこそ、このキャンペーンは不気味なのです。 表立って異を唱えにくいことを、ただ肯定に肯定を重ねるが如く繰り返す。この気持ち悪さをわかりやすく表現するなら、