白い手 ボクが22か23才頃の話だ。 当時ボクは家電販売の会社に務めていた。 店頭で接客して商品を配達、取り付け修理も請け負っていた。 ようは自分が売ったお客さんは自分で最期まで面倒を見るスタイルが売りのお店だった。 ボクと同じような営業職は5人ほどいて皆と仲良くやっていた。 今では考えられないが当時はノルマもあるような無いような感じで競争させるような空気は全くなく、営業職同士の関係は極めて良好だった。 自分一人では裁けない量の仕事を抱えてしまったときは誰かが何も言わずにその仕事を肩代わりしてくれるのは決して珍しくなかった。 そうやって皆が持ちつ持たれつの間柄だったから何でも言い合える良好な関係で、仕事が時に辛いこともあったけれど常に笑顔で仕事をしていたのを憶えている。 そんなある日に新しいバイトが加入することになった。 新人バイトのA君は身長が180センチ以上あって足もスラリと長く、顔は