いつ頃でしょうか、この作品と出会ったのは… 私が二十歳そこらの時だったと思います。 当時は、マンガを描くのが好きでして、 その筋のプロを目指していた時期でもありました。 いろんな作品を見るうちに、だんだん選り好みが一貫性を持ち始めた中で、 おもしろすぎる!!…と、一気に惹き込まれた作品のひとつであります。 妖怪をモチーフに描かれた作品ですが、 恐怖を打ち出した作品ではなく、 神仏と共存していく、日本古来の美しい思想で描かれているため、 風情を感じさせる素晴らしい作品だと感動したのを覚えています。 絵柄は、ほのぼの感のあるやわらかいタッチですが、 思いのほか深い話に驚くばかりです。 登場人物の、見鬼(もっけが見える性質)の姉と、 依代(憑かれやすい性質)の妹の成長を描く物語で、 ベテランの拝み屋もあり、二人の祖父がまたいい味を出しているのです。 ただ助けてくれるのではなく、