不況や就職難で奨学金が返済できず、厳しい取り立てを受けたり、自己破産したりする若者が急増しているとして、全国の学者や弁護士らが「奨学金問題対策全国会議」を31日に発足させる。背景には、学費高騰や学生支援組織の独立行政法人化などがあり、支援者らは「本人の努力だけでは解決できない社会問題だ」と訴えている。奨学金問題で全国組織が結成されるのは初めて。 独立行政法人・日本学生支援機構(旧日本育英会)によると、2011年度の同機構の奨学金利用者は128万9000人。大学や専門学校に通う学生の3人に1人が利用している。同機構の奨学金に給付型はなく、卒業後に返済が必要だが、就職難や非正規雇用の増加で返済が遅れる利用者が続出。延滞者は03年度末から11万人増え、11年度末で33万人にのぼる。 追い打ちをかけたのが、独立行政法人化による回収の厳格化だ。同機構は10年度から、3カ月滞納した利用者を銀行の個