農作物を食べたり建物を傷つけたりするアライグマを捕らえる「新兵器」を、北大大学院の研究室が開発した。樹木の穴をねぐらにする習性を利用した巣箱型のわな。おびき寄せる餌は不要で、他の動物がかからないように工夫も施し、省力化した点が特長だ。2月に大分市で初捕獲に成功した。 アライグマは北米や中米が原産。日本では1970年代にテレビアニメの主人公として人気を集め、ペットとして大量に輸入された。その後、捨てられるなどして野生化。北海道から九州まで生息するが、数は環境省もつかめていない。 農林水産省によると、2011年度の果実や野菜、穀類などの食害は3億8300万円。屋根裏や廃屋にもすみ、鎌倉や京都などでは神社仏閣などの破損が深刻化している。環境省は05年に特定外来生物に指定し、根絶を目指している。捕獲数は05年に5200匹弱だったのが、10年には2万5千匹近くになった。