自治体が公募で決めた公共施設の愛称が、その自治体の職員の応募したものだったケースが、明らかになった。 自治体側は、良い名前を付けるためには、職員の応募も排除しないとするが、行政への「市民参加」の機運が盛り上がる中、公募を巡って市民との意識のズレが浮き彫りになっている。 今年度中のオープンを目指して建設中の東京都小平市立仲町公民館・図書館は、市が愛称を募り、778点の応募の中から「なかまちテラス」に決めて3月末に発表。先月、市の男性職員の応募したものだったことが明らかになったが、市は職員に副賞の1万5000円分の図書カードを贈った。 市民の心境は複雑だ。自身も愛称を応募した女性は「自分が地元の施設の名前を付けたとなれば光栄だと思って応募したのに、落選は残念」と語る。同市学園西町の関野清雪さん(79)は「市民参加の重要性が叫ばれているのに、何のための公募かと、首をかしげたくなる」と手厳しい。