日本有数の別荘地・軽井沢を発着する「しなの鉄道」(本社・長野県上田市)が、開業20年を過ぎてなお快走を続けている。1997年の長野新幹線開業に伴う並行在来線(第三セクター)として一時、深刻な経営危機に陥るも、大株主である長野県などからの支援に救われ息を吹き返し、最近では自らの観光企画などが功を奏して人気を博している。 社長を務めるのは、2016年に損保大手・東京海上日動火災保険から送りこまれた玉木淳氏。しなの鉄道の現状や今後備えるべき課題などについて、玉木社長に聞いた。 ●開業20周年、「真田丸」効果も大きくーー現在の収入状況について教えてください 「2017年度の運賃収入は約31億円(営業収益は約44億円、純利益は約2億円)で、このうち半分が通学定期や通勤定期による収入です。『善光寺御開帳』やNHK大河ドラマ『真田丸』(長野県東部が舞台)のような大きな話題があると、ググッと増えます。 軽