ファンからは「将棋の強いおじさん」として愛され、7度の挑戦の末、46歳で悲願の初タイトルを獲得したことでも知られる木村一基九段(49)。何度挫折を味わっても立ち上がる「百折不撓」の棋士である木村は、順位戦でB級2組まで降級したものの、知命を迎える年に「鬼の棲家」と称されるB級1組へ再び舞い戻ってきた。 順位戦昇級の舞台裏やこれからの目標について聞いた。 挑戦失敗したことでメンタルが崩れていたのかも ――改めて、木村九段にとって順位戦とは? 木村 長い期間のリーグ戦ですが、1局1局を勝っていくことの積み重ねなので、先のことを考えても仕方がないというのが経験上、わかっています。前期も同じで、慌てずにという感じですね。 前々期にB級1組から落ちた時は、早い時間に負けることが結構多かったです。王座戦で挑戦失敗したあたりからそういう傾向になっていったのですが、理由がわかりません。挑戦を失敗したことで