第41回向田邦子賞や第31回橋田賞が続々と発表され、2022年度放送のドラマの総決算がされている。今回、リアルサウンド映画部にてドラマ評論家の成馬零一氏と木俣冬氏、成馬氏と田幸和歌子氏による対談を実施。2022年放送ドラマの振り返りと、最も話題作だった『silent』(フジテレビ系)についての検証、新しい形のドラマ作りについて語ってもらった。 第一部:プロデューサー佐野亜裕美の2022年と観ている側が試された『silent』 木俣冬(以下、木俣):『鎌倉殿の13人』(NHK総合)と『エルピスー希望、あるいは災いー』(カンテレ・フジテレビ系/以下『エルピス』)と『silent』(フジテレビ系)です。3作とも訴えかけてくるものがしっかりしていて、よかったです。『鎌倉殿の13人』は1年間を通して放送されていく中で三谷幸喜さんが時代の流れを読みながら物語を紡いでいったように感じました。終わりから逆