静岡県三島市中心部を流れる「源兵衛川」で生息数を増やしてきたゲンジボタルが、市の担当部署の連絡不徹底が原因で、激減のピンチを迎えていることが分かった。例年は回避している六月の産卵時期に市が両岸の草刈りをしたため、卵が大量に踏みつぶされた可能性がある。市民に親しまれてきたホタルが消えてしまいそうな危機に、市の担当者は猛省している。(渡辺陽太郎) 市によると、草刈りは六月二十二日午後、委託業者の作業員五人で実施。市民や観光客から伸びた草が景観を損なうという苦情を受け、同市南本町周辺など流域約四百メートルの草を刈った。慣例となっていた保全活動に取り組む団体への事前連絡はしなかった。 川の保全や再生に取り組むNPO法人グラウンドワーク(GW)三島の渡辺豊博専務理事によると、ホタルは六月上旬に産卵のピークを迎え、ふ化した幼虫が定着するには数カ月かかる。GWやほかの団体は例年、影響を避けるため十月以降