現代の中国となると日本人の多くは警戒心を持つが、古代中国への関心の高まりは尽きないようだ。漫画『三国志』や『キングダム』の人気ぶりは言うまでもなく、古代中国を舞台にしたBL小説まで出版されている。本書『古代中国の24時間』(中公新書)は、古代中国の人々にスポットを当て、膨大な史料から彼らの暮らしぶりを描いた本である。女性たちはイケメンに熱狂、酒に溺れ、貪欲に性を愉しむ...そんな姿に親しみを覚えるだろう。 著者の柿沼陽平さんは早稲田大学文学学術院教授・長江流域文化研究所所長。博士(文学)。専門は中国古代史、経済史、貨幣史。著書に『古代中国貨幣経済史研究』『劉備と諸葛亮』など。 読者が「古代中国(とくに秦漢時代)にタイムスリップし、一日24時間を生き抜く」という架空の設定のもと、ロールプレイングゲームのような体裁をとっているので、誰でも面白く読むことが出来る。昨年末すでに3版と版を重ねている