空想文学小説みたいな「私」と「君」のラブストーリー ――『空想文学少女』の二番の視点についての一考 (七尾百合子『空想文学少女』考察) 今回は、『アイドルマスター ミリオンライブ!』に登場するアイドル、 七尾百合子が歌う『空想文学少女』の歌詞について考えます。 百合子本人を想起させる、歌詞中に登場する「空想文学少女」が、 図書館での「恋のはじまり」の物語を空想する本曲。 今まで語られていたことは空想であったということが、 最後の最後に明かされる点がこの曲の一つの特徴と言えます。 単なるラブストーリーを歌うのではなく、 あるラブストーリーを空想する様を歌うところが、 これ以上なく七尾百合子というアイドルらしいのです。 この記事では、この曲の特に次に掲げる部分について考えたいと思います。 深呼吸で開いた裏表紙 ほんの少し君に近づく瞬間 薄汚れたカードに記された 右上がりの5つの文字 (『空想文