昨年の冬、十年勤めた会社を辞めた。上司と揉めて、にっちもさっちも行かなくなり、最後はヤケクソで辞表を叩きつけた。 しばらく保険で食いつないだあと、近所の倉庫でバイトを始めた。すでに33才。未来には何の展望もないが、特に悲しいわけでもない。そんな段階はとっくに越えてしまった。学歴もコネも才能もない俺みたいな人間は、石の裏に棲息する虫みたいにひっそり生きて、死ねばいい。たまに小さな幸福を拾えたら御の字だし、拾えなくても別にどうってことはない。 夏にSさんという男が入社してきた。俺よりひとまわり上の45才で、とにかく無口なおっさんだった。俺たちは同じ班で働くことになり、気づけば仕事帰りに飲む仲になっていた。 先週、終電を逃してSさんのアパートに泊めてもらった。 その夜の彼は別人のように饒舌だった。 「そういえば、あるよ」Sさんが冷蔵庫からおもむろにストロングゼロを出した。 「飲んだことない?」
この作品 「猫村博士の宇宙旅行」 は 「創作漫画」「超大作」 等のタグがつけられた作品です。 容量オーバーしたので低解像度で掲載してます 頑ツ 2016年6月24日 01:48 いやはや面白かった! 素敵な漫画をありがとう! jackinthebox 2016年6月24日 01:09 そうか…超光速なら出発とほぼ同時に帰還もあり得るのか! 傍から見てると!?だろうなw面白かった! acasian 2016年6月24日 00:30 素晴らしいSFをありがとうございました! mira 2016年6月24日 00:24 あっとゆう間に読みきってしまいました。楽しい時間をありがとうございます~ おやじ 2016年6月23日 23:50 純粋に面白かったです。 いいもの読ませてもらいました。 鳥居三三 2016年6月23日 23:03 久しぶりに楽しくSFを読んだ気がする。楽しい時間と旅行をもらった
JASRAC許諾第9009285055Y45038号 JASRAC許諾第9009285050Y45038号 JASRAC許諾第9009285049Y43128号 許諾番号 ID000002929 ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。
同窓会の帰り、おれはUFOにさらわれた。 気がつくと、おれは真っ暗なコックピットの後部座席に座っていた。 目の前には大きな台形の窓がぽっかり空いてて、そこに東京の夜景が広がっている。さっき飲んでた居酒屋も見える。 そして隣を見るとなぜかメグミさんが同じように座っている。 大学時代、ティム・バートンとか美味いラーメン屋とかについて語り合ってたメグミさんは、当時ゼミの山口先輩に惚れてて、おれは自分の浅い経験を棚に上げてはよく相談に乗っていた。ていうか密かに好きだった。 「メグミさん」と呼びかけると「あ、岡本氏」と、同窓会で見たかわいい顔がこちらを向く。あれから10年経って、おれだってそれなりに恋愛に慣れたと思ってたのに、「また会ったね」と微笑むその顔を見ると、当時の恋心があたかも新人の顔して胸を締め付けてくる。そういえばまだ独身だったはずだ。 「岡本氏もさらわれたの?」 「らしい。てかこれUF
Future Visions: Original Science Fiction Stories Inspired by Microsoft is an anthology of short stories written by some of today’s greatest science fiction authors. These visionary stories explore prediction science, quantum computing, real-time translation, machine learning, and much more. The contributing authors were inspired by inside access to leading-edge work, including in-person visits to
検索 Blog Tools アーカイブ RSS 187 リアクション 11月 7, 2015 病院で診査結果を聞いた。 予想はしていたが、やはりいざ告知されると気持ちが沈む。 再生医療手術で治癒は可能だというが、費用を聞いて諦めた。 国民健康保険制度があった時代ならいざ知らず、 保険会社の高額な掛金を払えない私のような貧乏人には縁のない話だ。 これでいいんだ。 家族もいない自分がこれ以上生き永らえても仕様がない。 そう自らに言い聞かせながらJR中央線で家路についた。 気を紛らわせようと車内の大型モニタでニュースを観ていると、 カタールによるサウジアラビア買収交渉のニュースに続いて、 女性アナウンサーが懐かしい名前を口にした。 「本日から1ヶ月間にわたり、中野のハロプロ東京劇場において〈モーニング娘。誕生50周年記念特別公演〉が行われます。現場の大竹さん?」 お祖父さんに似て騒が
■思い出す本・忘れない本、大森望・日下三蔵編『拡張幻想』 《振付師・ラッキィ池田さん》 永六輔さんのラジオ番組で街ネタを取材するコーナーを担当して、20年以上。東日本大震災翌日の放送のときは、何を取材したらいいかすごく悩みました。すべてのクリエーターがそうだったと思いますが、新しいものを作ることに大きな困難があった。読書も変わりました。丸一年ほど物語に触れる気分になれなかったんです。 『拡張幻想』に出会ったのはそんな頃。大阪は淀屋橋駅の本屋さんでふと手に取りました。2011年の優れたSFを集めた短編集で、収録18作にはその年を象徴するできごとが色濃く反映されています。作家たちが敏感に反応しているんですね。どの短編からも震災や原発事故への思いや「物語の力をなめてもらっては困る!」という精神が感じられました。 庄司卓さんの「5400万キロメートル彼方(かなた)のツグミ」は、小惑星探査機に搭載の
イギリスのファンタジー、SF作家タニス・リーが2015年5月24日逝去されました。享年67。 1947年ロンドン生まれ。九歳で創作を始め、1971年に児童向けファンタジー『ドラゴン探索号の冒険』でデビュー、大人向けのファンタジーとしては1975年The Birthgraveが最初の作品となる。『死の王』で英国幻想文学大賞を受賞、ほか、1983年84年と2年連続して短編で世界幻想文学大賞を受賞しています。 代表作は5作からなる《平たい地球》、4作からなる《パラディスの秘録》。創元推理文庫からは"ダークファンタジーの女王"の真骨頂ともいえる《パラディスの秘録》『堕ちたる者の書』『幻獣の書』『死せる者の書』『狂える者の書』、『薔薇の血潮』上下が刊行されています。 やすらかにお眠りください。
映画はもう子供のころから何度となく観ていたけれど、原作小説は読んだことがなかったという作品の一つだったのだが、ついに読んだ。やはり日本SF黎明期を代表する一作で、1971年の発表直後からベストセラーとなり、戦国時代へ自衛隊がタイムスリップして大活躍というプロットは多くのフォロワーを生んで、歴史改変SF、架空戦記小説ブームの火付け役となった。軽い気持ちで読み始めたのだけど、実は適切な軍事考証、歴史考証がなされ、かつ、きちんとエンターテイメントの王道行くので凄く面白いのだ。 魅力の一つには軍事考証へのこだわりがある。映画だとさくっと一小隊がタイムスリップするのだが、小説ではタイムスリップに至る米軍・自衛隊合同演習に向けた各方面軍の展開が描かれ、主人公たちの部隊がどのようにタイムスリップの現場へ終結していくかが描写されている。この辺、ミリタリーファンにはたまらないのではないだろうか。 最初の出だ
「白い服の男」(しろいふくのおとこ)は、星新一の短編SF小説(ショートショート)。 初出は「SFマガジン」1968年9月号[1]。 あらすじ[編集] 世界大戦後の世界。白い制服を着用する主人公の男は特殊警察機構89605分署の署長で、今日も職務に励んでいた。特殊警察機構とは超法規的存在で、無差別盗聴や密告を駆使し、市民を監視していた。しかし、凶悪犯罪の証拠をつかんでも無視し、一般警察が担当する仕事には一切口出ししなかった。彼らが取り締まる対象はただひとつ、「セ」だけだった。特殊警察に捕らえられた者は拷問により取り調べられた後、広場で「人類の敵」として公開処刑される。この時代でも当然許されざる行いだが、「セ」に関しては別だった。 管轄下の閉鎖図書館では、過去の文献・情報の書き換えや、焼却[2]を行い、さらに古戦場や城跡の遺物を処分し、存在理由を捏造するなど、徹底して「セ」、つまり「戦争」(作
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く