2019年1月、『コミック百合姫』(一迅社刊。以下『百合姫』)とpixivが主催する“百合文芸コンテスト”に応募された一つの作品が、“事件”を起こしました。 「ナムボク」と名乗る謎の人物によって投稿されたその作品のタイトルは、『月と怪物』。旧ソ連の超能力研究を題材にした同作は、ソリッドな文体や、殺伐とした展開が際立つ異色作でした。 発表されるや、その独自性、クォリティの高さから、ネット上では「この作者は何者だ?」「プロ作家の変名では?」と話題になり、一時は「謎のソ連百合」というワードが日本のTwitterでトレンド入りするなどの騒動に発展。 さらには、早川書房が刊行する百合SFアンソロジー『アステリズムに花束を』(ハヤカワ文庫JA)に収録されるなど、異例の展開を巻き起こしました。 今回、『月と怪物』の作者である「ナムボク」こと南木義隆さんにインタビュー。その謎めいた実像に迫ります。また『ア