ヒューストン郊外の石油化学コンビナートには、1836年のテキサス独立戦争の壁画がかかれたタンクが並んでいた=2021年2月26日、米テキサス州、香取啓介撮影 1901年1月10日、同州南東部ボーモント郊外。小高い丘に開けた穴の中から突然、重さ6トンの掘削パイプが飛び出した。数分後、黒い液体が間欠泉のように噴き出した。高さは40メートルに達し、制御するまで9日間続いた。当時世界最大のスピンドルトップ油田の発見だ。 当時の町並みを再現した博物館の館長トロイ・グレイ館長(49)は「米国に石油産業をもたらし、大国になる力を与えた。同時に石油に依存する社会もこの時始まった」と話す。スピンドルトップで幕を開けたテキサス州の石油産業は2000年代後半のシェール革命もあり、石油・ガスの生産量は全米一。石油生産量は同州だけで世界トップ5に入る。 米国の石油産業発祥の地スピンドルトップを再現した博物館。油井や