何年も前のことだが、サンフランシスコで米国のある非営利団体を訪問したことがある。非営利団体とはいえ有力アドボカシー・グループなので、職員は一流大学やロースクールを出たようなエリートばかりだ。事務所でしばらく歓談ののち、みんなで飯を食いにいくことになったのだが、相手をしてくれた人がこう言った。あっちはホームレスがいっぱいいるから、避けてこちらの道を行きましょう。 たしかに客が危ない目に遭わないよう配慮するというのはありがたいことだが、しかし私はへそ曲がりなので何かしらひっかかるものがあった。あなたがたが本当に相手にしなければならないのは、 彼ら ではないのか? ドナルド・トランプが米大統領に返り咲く、それも地域性に引きずられる選挙人団投票数だけではなく、総得票数でも上回って、という話を聞いて思い出したのがこのエピソードで、さらには最近出たこの本だった(約1年前に書かれたダイジェスト的な文章)
![米国のポピュリズムと象徴資本主義のたそがれ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/496fe3fa3d3ebe9fae5fff34dd1605061e2b4fcc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fi0.wp.com%2Fwww.mhatta.org%2Fwp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2021%2F02%2F9f22berz2bi-scaled-e1613440234864.jpg%3Ffit%3D1200%252C800%26ssl%3D1)