台湾には、Jポップやアニメなど日本の文化(Jカルチャー)が溢れている。その火付け役となったのが、「日本中毒患者」を自称する漫画家・哈日杏子(ハーリーシンズ、ハニチキョウコ)さんが1996年に出版した「早安日本(おはよう、日本!)」だ。その名前にちなみ、日本文化に熱狂する若者を「哈日族(ハーリーズー)」と呼ぶ。「哈」は「熱烈に好き」「好きで、好きでたまらない」というニュアンスの言葉。 ブームから既に10年以上が経過するというのに、その熱は冷める気配はない。哈日族は台湾社会にすっかり浸透し、ことさら注目されることのない普遍的な存在となった。ケーブルテレビでは地元局が経営する2つの日本語専門チャンネルがあり、日本のドラマやバラエティー番組を365日24時間楽しめる。 インターネットやIP電話などの普及で、日台間で情報は量的な格差がほとんどなくなったばかりでなく、時間的な格差もない「0時差」が当た